当面続きそうな不安定な展開
実は業績予想の発表の少し前、みずほ証券が9月23日付リポートで投資判断を3段階で最上位の「買い」から真ん中の「中立」に格下げし、目標株価を4500円から2000円に一気に引き下げた。これを受けて24日の東京株式市場で一時前日終値比7.6%安まで下げる場面があった。証券会社の投資判断格下げは最近では、SMBC日興証券が9月7日付でやはり3段階の最上位から真ん中にした例もあった。ただ、春先から証券各社で相次いだ格下げもここらで打ち止めではないか、という感じがないわけでもなかった。そうしたことも28日の株価急伸につながった可能性がある。
しかし、週明け10月5日には一時前週末終値比5.6%(103円)安の1742円まで下げた。これは前週末に第三者割当増資や新株予約権の発行で約220億円を調達すると発表したことが材料になった。資本増強によって財務体質が強化され、新たな投資を行うことも可能になる。しかし、1株当たりの利益は希薄化するため既存株主にとってはあまり良い話ではない。「GoToキャンペーン」で国内需要は底上げされるが、海外旅行の見通しが立たないことも改めて意識されたようだ。
ただ、5日の終値は1.7%(32円)安の1813円まで持ち直した。資本増強の良い面を見直す動きもあり、まさに強気弱気が交錯。当面、株価は不安定な展開となりそうだ。