「消費者の方への配慮が不足していました」
一方、シオノギヘルスケアの「パイロンPL」シリーズが、ポジティブな文脈でにわかに注目を集めている。
同社は、「かぜの時は、お家で休もう!」とのキャッチコピーが躍る鉄道の中づり広告を出稿しており、それを見た消費者が20年10月4日、「やっと当たり前のことを言ってくれる風邪薬の広告が出る時代になった」とツイートしたためだ。
投稿はまたたく間に拡散し、「CMとか、風邪薬飲んでもスーツのままだったりして、休むイメージ無かったもんな」「これ飲んでおけば大丈夫!とか無理させる広告も多かったもんね...」 と多くの共感を集めている。
「製薬各社では、『風邪の時は症状を抑えてでも頑張る』というメッセージを今までずっと出してきており、消費者の方への配慮が不足していました。ツイッターでは『ここまでくるのにかなり時間がかかったな』とのコメントがありましたが、私たちもそのように思っております」
シオノギヘルスケアのプロダクトマネージャーは5日、J-CASTニュースの取材に、制作の背景にはこれまでのコミュニケーションの反省があったとした。
パイロンPLシリーズは2017年の発売当初から、「かぜに、もっと、医薬の力を」「あっ!このかぜ薬」とのコピーを使ってきた。19年12月からは、ウェブ広告、店頭の販促物で「かぜ?だったら休もうぜ!」と休息を軸にしたメッセージも併用し、20年4月からは「熱が出た時は外出を控え、他の人に風邪をうつさないようにとの意識が高まっている」との考えから「かぜの時は、お家で休もう!」に変更した。
「風邪を根本的に治すためには、しっかり休み、バランスの良い食事をとることです。弊社では『すべての人に、やさしく、正しくセルフケアを』という指針がありますので、正しい対処法をお伝えしながら、それでもだめなら風邪薬で緩和していただくのをおすすめしています」(プロダクトマネージャー)