首相や大臣ともなると、稼ぎはどれくらいになるのだろうか。菅義偉首相と閣僚20人は2018年に「オフィシャル」なカネである政治資金を平均で約9590万円集めていたが、「プライベート」なカネである所得はどれだけ得ていたのか。J-CASTニュースは、国会議員が毎年報告している所得報告書などから調べてみた。
公開されている最新の2019年分の所得報告書を国会で閲覧した。政治資金でトップだった麻生太郎・副総理兼財務相は所得では4113万円で2位だった。では、1位は誰かというと、平井卓也・デジタル担当相の4445万円だった。平井氏は衆院議員が受け取る歳費、19年9月まで務めたIT担当相としての給与・賞与の2739万円に加え、地元・高松市などに所有する土地の賃貸料として1692万円を得ていた。
大臣たちの「給与所得」は?
平井氏は、母が地元紙「四国新聞社」の社主で、自身も以前は6つの関連会社などの役員を務めていたが、18年10月のIT担当相就任と同時に全て退任。前年の18年は関連会社からの役員報酬で5053万円の所得を報告していたので、大臣就任でむしろ所得が減った形だ。
2位だった麻生氏も、セメントや医療など幅広い事業を手がける「麻生グループ」の創業一族で、かつては関連会社の役員を務めていたが、12年12月の副総理兼財務相就任までに退任し、役員報酬は得ていない。一方で、麻生氏はグループ企業などの株式を多く保有しているため、株式の配当所得として19年に1176万円を得ていた。
株式の配当では、田村憲久・厚生労働相も19年に1230万円の配当所得を報告している。こちらは三重県などで展開するケーブルテレビ局「ZTV」の株式からの配当だ。田村氏が所有するZTV株は41万株。ZTVは、田村氏の父が代表取締役だった。ZTVのウェブサイトによれば、田村氏の兄が現在は取締役社長になっている。ちなみに田村氏の娘はTBSの田村真子アナウンサーだ。一族でテレビに縁が深いのだ。
ちなみに、菅首相の19年の所得は2766万円。このうち、議員歳費と官房長官としての給与・賞与を合わせた給与所得は2733万円だ。同じく19年を通して閣僚だった麻生氏や茂木敏充・外相らもほぼ同額の給与所得を得ている。
19年は衆院議員で大臣ではなかった上川陽子・法相や坂本哲志・地方創生担当相が得ていた19年に得ていた給与所得は1971万円。単純計算で、1年間大臣を務めれば約760万円程度、所得が増えるようだ。