「新快速」関西走って半世紀 飛躍の秘訣は「座席」と「扉」にあり?

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「着席保証」は競合他社が充実

   新快速が停車駅を増やして乗客を獲得すると、並行する私鉄各社も優等列車の停車駅を増やす戦略にシフトするが、ここにも221系や223系の影響があったようだ。阪急電鉄が京都線に2003年から投入した9300系はそれまでの6300系と異なり3扉転換クロスシートを採用し、同線の特急は2010年に3扉車両に統一された。京阪電鉄でも2008年から運行中の3扉転換クロスシート車両の3000系が、2扉転換クロスシート車両の8000系とともに特急運用についている。

   座席サービスにも革新をもたらした新快速だが、近年は新しく「着席サービス」を打ち出した。2019年3月16日から1日上下4本ずつのみの試験的な運用ではあるが、座席指定車両「Aシート」を連結した列車を運行開始した。兵庫から滋賀まで走破する新快速は京阪神の主要駅で座れる保証がないので、そのニーズに応えようとした形だ。関西では京阪電鉄が2017年に有料座席指定車「プレミアムカー」を特急に連結しており、新快速に先んじて京阪間の通勤客や行楽客に「確実に座れる列車」を提供した。プレミアムカーの運転時間帯は6時台から22時台におよび、本数も京阪特急の方が充実している。

   国鉄時代の京阪神エリアでは新快速ではなく快速電車にグリーン車が連結されていた時代があったが、利用不振で廃止になった歴史がある。Aシートが定着をみるかは未知数だが、競合私鉄と共に今後も切磋琢磨して関西の都市間輸送を支えていくだろう。

(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)

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