「普及・啓発のためにと協力させていただきました」
バンダイとしても、商品化のねらいの1つはそこにある。前出のプレスリリースでは「現在では全国に約 60 万台が設置されていますが、その仕組みについては詳しく知らない人が多い状況です。本商品は、手軽に購入できるガシャポンのメリットを生かして AED の仕組みをより多くの方に普及し、緊急時の早急な対応を可能にするために、普段は見ることのできない AED の中身まで忠実に立体化しました」と説明している。
日本光電も9月8日の発表で、「実際にAEDの中身を見たことがない、触ったことがないという方に対して、AEDをより身近に感じ、使い方を簡易に学べるよう、教育的観点から監修しました。お子様から大人まで幅広い世代の方が、普段使う機会の少ないAEDの中身を触って、使い方を体験できる仕様になっており、本製品の取扱説明書ではAEDの使用方法も紹介しています」としており、今回の商品が予行演習としての役割を果たすことを期待している。
日本光電AED営業部の担当者は25日、J-CASTニュースの取材に「昨年企画をいただきました。AEDを玩具にするという経験はなかったのですが、社内で検討のうえ、普及・啓発のためにと協力させていただきました」とし、こう話す。
「監修として私たちができたのは『リアルさの追求』。本物のAEDに近くなるよう、機器の貸し出しや試作段階のチェックなどをし、ボタンも押せるようになっています。『AEDライフ』で使い方などは紹介していますが、ガシャポンという『物』で実際に触れることにより、直感的に使い方を学べるのではないかと思います。
ガシャポン化にあたっては、啓発や教育の観点から製品リリースをしていただきたいとお願いしていました。それは取扱説明書で実際のAEDの使用方法を説明いただいた点などに現れており、『遊びながら勉強できる』という配慮をいただきました」
ネット上の反響については「AEDに関心がなかった層にも、AEDや心肺蘇生とはどんなものなのか、という意識が広がりはじめているのは本当に嬉しく思います。これをもってAEDの認知度と使用率の向上に貢献できれば、弊社としてはこんなにありがたいことはありません」と話した。