「また郵政グループか...」
24日の記者会見で、11日にドコモ口座以外の被害に触れなかったことを問われた池田社長は「ドコモ口座に関する質問だったから」と驚くべき釈明をしている。
あきれるのは経営トップの対応に限らない。高市氏が被害を暴露した日の翌16日、あわてたゆうちょ銀行は記者会見を開いて、被害の状況を説明。同18日までに発表した被害額は137件、2205万円だった。ただこれは2020年1月以降のものに過ぎず、24日に発表された被害には、17年7月から19年末までの約150件が加わっていたのだ。このうち約50件は補償を済ませており、18日の時点で担当部署は把握していたものの、上層部に報告していなかったことになる。24日の記者会見で池田社長は「目詰まりがあった」と述べ、組織内の情報共有に問題があることを認めた。
都合が悪いことを現場が上司に報告しないという構図は、日本郵便とかんぽ生命で長く行われていた保険の不正販売の全容が明らかになるまで月日がかかったケースと似ている。情報セキュリティーに関する対応が甘かっただけではなく、企業統治(ガバナンス)にも課題が残ると改めて認識された日本郵政グループ。どこからか「また、郵政か」とあきれる声が聞こえてきそうだ。