自民党の杉田水脈衆院議員が性暴力被害をめぐり「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言した問題で、フジテレビの平井文夫・上席解説委員は出演した番組で、杉田氏を「非常にちゃんとした保守政治家」と評価した。
一方で、誤解を招きやすい立場ゆえ「堂々と言ったなら言ったでこういう風に言いました、それはこういう訳ですとちゃんと説明した方がいい」とも注文を付けた。
説明一転、ブログで謝罪も...
「(LGBTのカップルは)子供を作らない、つまり『生産性』がない」「(夫婦同姓を望まない人へ)だったら結婚しなくていい」「(性暴力被害を訴えるジャーナリストの伊藤詩織さんへ)明らかに女としての落ち度がありますよね)」――。
杉田氏といえば、政治家としての資質が問われるような言動を繰り返してきた人物で知られる。2020年9月25日には党の会合で性暴力被害をめぐり「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言したと報じられ、当初は真っ向から否定したものの、10月1日には一転して事実だと認め、「ご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます」とブログで謝罪した。
2020年10月1日放送の情報バラエティー「バイキングMORE」(フジテレビ系)では杉田氏の発言が取り上げられ、出演陣からは非難轟々。司会の坂上忍さんは杉田氏を「問題発言して逃げ回っているイメージしかない」と嫌悪感をあらわにし、
「こういうことを言って喜んでいるおじさん、おじいちゃんの先輩議員がいるんだろうなっていうのは想像がつく気がする。容認している形になってますからね」
と自民党の責任にも追及した。下村政務調査会長は杉田氏に、真意が伝わる説明をするよう口頭注意している。
平井氏「かばうわけじゃないけど」
一方で、出演者の一人である平井文夫氏は「かばうわけじゃないけど」と前置きしつつ、「杉田さんは非常にちゃんとした保守政治家」と評した。その根拠として、杉田氏が精力的に取り組む慰安婦問題があるという。
済州島で従軍慰安婦が強制連行されたとする、いわゆる「吉田証言」を引用した「クマラスワミ報告」(1996年に国連人権委員会(当時)で採択)に対し、杉田氏が国連で抗議のスピーチをした過去に触れ、平井氏は
「この発言(女性はいくらでもうそ)にも関係ありますが、韓国の慰安婦問題は民間団体がやっていて、色々問題があって、最近(寄付金の)不正流用があって捜査が入っていますが、やはり女性の性暴力についてやるのは民間ではなく国が、警察が介入すべきと彼女はずっと言っている。今回もその流れで言っちゃったらしい」
と理解を示した。杉田氏は1日のブログで「私の発言の趣旨は、民間委託の拡充だけではなく、警察組織の女性の活用なども含めて暴力対策を行なっていく議論が必要だということであり、女性を蔑視する意図はまったくございません」と釈明している。
平井氏は続けて、「彼女は保守政治家として立派な人だと思いますが、発言が何度か話題になっているのは、この人は保守なので、反対の人たちからすごく責められる。みんな待っている、彼女の失言を。待っててカッと来る」と杉田氏を快く思わないリベラル層が一定数いるため、「それをわかっているのになんでやるのかなと思うので、僕は堂々と言ったなら言ったでこういう風に言いました、それはこういう訳ですとちゃんと説明した方がいい」と忠告した。