慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市、SFC)で授業に使うシステムに「重大なトラブル」が起き、2020年10月1日に予定されていた秋学期の授業開始が少なくとも1週間延期されることが9月30日にわかった。「履修者選抜や履修学生への連絡を予定通り行うことができないため」だ。システムトラブルで学期の開始が遅れるのはきわめて異例。
「利用者のアカウント情報が漏洩した可能性」もあるといい、外部からの攻撃を受けて「重大なトラブル」が起きている可能性もある。
トラブルで「利用者のアカウント情報が漏洩した可能性」
問題が起きたのは、SFCに所属する教職員や学生が使う「SFC-SFS」と呼ばれるシステム。SFCのウェブサイトの説明によると、(1)履修者への一斉メール(2)履修者名簿のダウンロード(3)レポート・課題の登録、提出受付(4)履修者選抜エントリー、選抜結果登録(5)成績(評語)登録、などの機能を備えている。
9月29日深夜、SFCの2学部長と大学院の研究科委員長名で所属教員向けに送られたメールによると、同日22時30分に「重大なトラブル」によりSFC-SFSを停止。「このトラブルにより利用者のアカウント情報が漏洩した可能性があります」として利用者にパスワードの変更を求めた。その後も事態は改善しなかったとみられ、9月30日午後に送信された第2報では、
「SFC-SFS停止により履修者選抜や履修学生への連絡を予定通り行うことができないため、明日からの授業実施は困難であるとの結論に至りました」
などと状況を説明。
「すべての科目は原則第1週(10/1~7)を休講とする措置を取ることといたします」
とした。同日午後には、学内のポータルサイトで同様の内容が学生向けにも発表された。
慶應義塾広報室では30日、J-CASTニュースの取材に対し、(1)「重大なトラブル」が外部からの攻撃を指すのか(2)漏洩の被害は確認されているのか、といった点を含めて「事実関係を調査中」と話している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)