2020年9月23日から27日にかけてオンラインで開催された「東京ゲームショウ2020 ONLINE」(以下、TGS2020)が無事閉幕した。
本イベントでは参加ゲームメーカー各社が力の入った配信を次々に行い、注目度の高い作品やサプライズ発表のたびにツイッターのトレンドに東京ゲームショウ関連の単語が登場するなど、大きな盛り上がりを見せていた。
eスポーツ界に衝撃が走った「バーチャファイター×esportsプロジェクト」
例年であれば各イベントを見るためには混雑した会場をかきわけて移動しなければならず、またイベントの開催時間が重なった場合にはどちらかを諦めなければいけないことも多かった。しかし今回は配信後に即座にアーカイブが公開されていたため複数のイベントを容易に見ることができるようになっており、オンライン化による情報公開メリットは大きいことが証明された。
eスポーツ関連のイベントも複数が開催されていたが、中でも特に大きなサプライズとなったのが、セガが発表した「バーチャファイター×esportsプロジェクト」だ。『バーチャファイター』シリーズは1993年に稼働を開始した第一作以降、対戦格闘ゲームの世界に大きなムーブメントを起こし続けていたタイトルだったが、2010年より稼働を開始した『バーチャファイター5 ファイナルショーダウン』を最後に大きな動きはなく、今回の発表はファンにとって最高のサプライズとなった。
発表直後からツイッターには興奮を抑えきれないコメントが溢れ、『バーチャファイター』の復活を多くの人が待ち望んでいたことが伺えた。果たしてどのような形でeスポーツとしての展開が為されるのか、続報には大きな期待がかけられている状況だ。かつて『バーチャファイター2』が起こした熱気のすさまじさを体験した方々の熱意に再び火が付くならば、大きな存在感を持つeスポーツタイトルになることは間違いないだろう。往年の名プレイヤーたちと熱気に惹きつけられた若手たちの激しいバトルが繰り広げられる光景を期待したい。
無事オンライン上でも開催可能であることを証明した東京ゲームショウだが、大規模イベント特有の会場の熱気を感じられなかったのは少々寂しいと感じたのもまた事実だ。例年は各社が会場で意匠を凝らしたさまざまなグッズの配布を行なっていたが、オンラインイベントでは少数の視聴者プレゼント以外は必要が無くなり、物を作る会社にお金が回らなくなっている。会場を彩っていたコンパニオンの方々もあてにしていた露出の機会や収入を断たれ、苦しんでいるのも現実だ。果たして何が最良の形なのかは、今後の状況に合わせて慎重に考慮する必要があるだろう。
(eスポーツライター 早川清一朗)