「おとこのこが4人 せんろのうえをあるいてる」
これは、1996年2月27日に発売されたゲーム「ポケットモンスター赤・緑」の主人公がテレビで見た映画のワンシーンだ。主人公はこの後、「ぼくももういかなきゃ!」と冒険に旅立つ。
ポケモン公式YouTubeチャンネルは2020年9月29日、人気ゲームシリーズ「ポケットモンスター」とロックバンド「BUMP OF CHICKEN」がコラボしたミュージックビデオ「GOTCHA!」を公開した。同作は、この「映画のワンシーン」から始まる。そして赤・緑含む過去作の人気キャラクターやポケモン、MVオリジナルキャラクターたちの生き生きとした動画が展開されていく。
「これまでも、これからも、ポケモンとともに冒険を続けるキミに」
BUMP OF CHICKENが書き下ろした新曲「アカシア」と、人気ゲームシリーズ「ポケットモンスター」のアニメーションがコラボした動画が投稿された。ポケモン公式ツイッターアカウントは、動画の投稿をこう告知した。
「これまでも、これからも、ポケモンとともに冒険を続けるキミに贈る、特別な1本をお見逃しなく!」
シリーズ初代「ポケットモンスター赤・緑」を再現した冒頭シーンはもちろん、過去作から最新作の人気キャラクターが多数登場するほか、主要なシーンが再現されたものもあり、ファンからは「GOTCHA見てたら全ての作品やり直したくなったよ」、「GOTCHA!最高のMVだった...」と歓喜の声が上がっている。
ポケモン情報局公式アカウントは、ツイッター上で見どころをこうつぶやく。
「約2分半にこれ以上無いぐらいポケモンの歴史が詰め込まれていて懐かしさを感じると同時に怒涛のテンポで展開される映像には新しさと涙が出そうなほどのドキドキが蘇るしその感情に拍車をかけるように優しく力強い曲が耳に染み込んできて何(文字数)」
過去から今へ繋がる演出
今回楽曲を手掛けたBUMP OF CHICKENは、赤・緑のリリース年と同じ1996年に結成されたバンドだ。監督の松本理恵さんは過去に、ロッテとBUMP OF CHICKENがコラボしたMV「ベイビーアイラブユーだぜ」も手掛けている。アニメーション制作のボンズ(東京都杉並区)、キャラクターデザインの林祐己さん、企画・プロデュースの川村元気さんは同MVから引き継がれているようだ。ファンからは、「松本理恵さん...本当に天才...」、 「『ベイビーアイラブユーだぜ』も『GOTCHA!』も、音楽と映像がベストマッチしてる」と好評だった。
アニメーションでは、これまでに登場した主人公、ライバル、ジムリーダー、ラスボス、四天王、チャンピオンら人気キャラクターが多数登場する。ポケモンからは、各キャラクターたちの相棒や、主人公の最初の相棒となるポケモン(通称御三家)、伝説のポケモンなどが登場。さらに、終盤にはシナリオクリア後に登場するキャラクター達や、これから配信される最新作の追加エリアらしきものまでもが描かれている。ゲームをやりこんでいる人、ポケモンが好きな人にはたまらない演出だ。ファンは、それぞれの気づいたことをSNSなどに投稿している。
「初代と最新の炎御三家がキョダイマックスでバチってるところ好き」
「最後に初代と最新作の帽子が並んで歩き出す演出良いですね」
「この一瞬映る背番号227が初代ポケモンの発売日なのエモすぎないですか」
最新作の主人公の背番号に初代シリーズ発売日を示唆するような数字が選ばれているなど、随所に過去と今が交差するような演出がされており、まさに「これまでも、これからも、ポケモンとともに冒険を続ける」人々に向けた動画となっている。
「ポケモン」、「BUMP」、「GOTCHA」がトレンド入り
今回のPVに初登場した、オリジナルキャラクターの男の子と女の子、その相棒のイーブイとピカチュウも好評だ。
「初見だと歴代キャラクターのアニメーションに意識を持っていかれがちだけどオリキャラ含め話の展開もめちゃくちゃキレイだな...」
「ポケモンのMVは男の子と女の子、それぞれの相棒の性格が良く出てて大変エモい」
「GOTCHA!のちゃおみたいな作画のイーブイかわいい」
1990年代アニメ彷彿させる作画が各所にみられるが、とりわけピカチュウとイーブイの表情は、小学館の少女漫画「ちゃお」の90年代ごろの作画に似ているとも言われ、懐かしさを感じる人々も多いようだった。
このほかにも、歌詞との親和性や、ポケモンたちの特性を生かした細かで巧みな演出が好評で、このMVは大きな反響を生み出した。ファンからは「良すぎて何度も観てしまう...」、「何度も何度も見たくなるし、スローモーションでも見ちゃったけど一コマ一コマかっこいい、、、」といった声が上がっている。
ツイッター上では29日夜から30日朝にかけて一晩「ポケモン」、「BUMP」、「GOTCHA」がトレンド入りを果たした。