女性バーチャルユーチューバー(VTuber)グループ「ホロライブ」を手がけるカバー(東京都)は、所属するVTuberの問題をめぐって、中国の動画サイトで「一つの中国」を支持する声明を出したことに関して、「不用意に混乱を招く事態となりましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
声明は中国現地の協力会社と「慎重に検討」して作成したもので、タレントや社員らの安全を守るための「緊急措置」だったとした。
「常に中国の主権と領土の完全性を尊重」
事の発端は、ホロライブ所属のVTuber「赤井はあと」と「桐生ココ」が2020年9月24日〜25日にかけて自身の配信内でYouTubeチャンネルのアナリティクスを参照に情報を開示したことによるもの。赤井さん、桐生さんは視聴者が多い海外の「国」を読み上げたが、その中にはいずれも「台湾」の名が含まれていた。
これに対し、中国の動画サイト「bilibili (ビリビリ/哔哩哔哩)」で配信内容を知った中国在住のファンなどが、2人が台湾を独立した国とみなしたとして反発していた。
カバーは27日、公式サイト上で2人の「機密情報である統計データの開示と2次利用」を問題視するとともに、「一部地域に在住の方に対する配慮に欠けた発言があったことを確認」したと報告。こうした問題が同社のガイドラインや契約内容に違反する行為であったとして、2人のタレント活動を3週間自粛することを発表した。
一方で、カバーは同日に「ビリビリ」でも声明を発表。そこには、
「カバーは常に中国の主権と領土の完全性を尊重し、『日中共同宣言』と『日中平和友好条約』を尊重し、『一つの中国』という考えを支持します」(編集部訳)
と中国語で書かれていた。
こうして「一つの中国」を支持する声明を出したことに対し、日本のツイッター上では批判の声が集まっていた。