「選挙の争点」にしたがらない理由
もうひとつのハードルが、与野党間の合意の問題だ。次期衆院選では、消費減税を旗印に野党が結集すべきだとの主張が一部で展開されている。だが、枝野氏は消費減税の争点化には一貫して否定的だ。9月9日には
「政治争点化をしてしまったら、どう考えても与野党で対立して合意形成は難しい。与野党で合意形成しなければ、いくら拳を振り上げたって変わらない。そうすると、(合意形成できる可能性がある政策は)与党も合意ができそうで、しかも経済に効果を与えるとすれば時限的なものだと思っている」
などとして、
「合意のできる余地は、(税率を下げる)時間が区切られるのであれば、与党側にもあると思うし、そういう可能性の感触も受けている」
などと折衝の必要性を強調。9月15日の結党大会後の記者会見でも、
「選挙の争点というのは、当事者が『これが争点だ』といくら言っても、争点になるわけではない。政治状況、有権者の判断だと思っている」
「本当に実行しようと思ったら、参院を考えれば自民党が賛成しなければ法律が通って実現することはあり得ない。どうやって賛同してもらう状況をつくるか。それにはもちろん表の論戦もあるし水面下(の折衝)もあるし、当然のことだと思っている」
と述べている。
なお、この記者会見の終盤、記者から消費減税への立場について、
「否定的・消極的・懐疑的・肯定的・積極的、どう表現するのが代表の立場に一番近いか。もし、この中で明らかに『これは間違っている』という表現があれば教えてほしい」
などと問われ、枝野氏は
「一言です、『現実的』。リアリズムです、政治の」
と答えている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)