問われたネリの「力量」
試合当日の世界ランキングは、ネリが1位でアラメダが6位と一応の体裁は整った。試合内容はどうだったかといえば、必ずしもボクシングファンを納得させるものではなかったといえるだろう。この一戦で注視すべき点は、階級を上げたネリの「力量」だった。バンタム級時代、体重超過を繰り返したネリはスーパーバンタム級がベストなのか。それもともっと上の階級でやるべきなのか。リング上のネリに注目が集まった。
パワーでいえば、残念ながらスーパーバンタム級においては特別ではないだろう。サウスポーを苦にしないネリは序盤から積極的に攻撃を仕掛けるも、アラメダの堅いガードに阻まれる。スピードで上回るネリは時折、ショートパンチをヒットさせポイントを重ねていった。アラメダのガードを崩そうと強引にボディー攻撃に転じる場面も見られたが、次のショットにつながらない。「格下」相手に最後まで決定打を打ち込めなかった。
ボクシングスタイルはバンタム級時代と比較してどうだっただろうか。ネリはこの試合に備えて、エディー・レイノソ氏に師事。レイノソ氏は世界4階級制覇のサウル・アルバレス(メキシコ)を指導する世界的なトレーナーで、タイトル戦ではメインセコンドを務めた。レイノソ氏の指導によりボクシングスタイルがどのように変化したのか注目されたが、攻撃面ではバンタム級時代と変わらず大振りが目立ち、強化したというディフェンス面においてもさしたる進化はみられなかった。