ネリの世界2階級制覇は「本物」か 「決定打なし」「パワー不足露呈」も唯一の収穫は...

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   ボクシングの元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)が2020年9月26日(日本時間27日)、世界2階級制覇を達成した。正規王者レイ・バルガス(メキシコ)の負傷により空位となったWBC世界スーパーバンタム級王座を同級6位アーロン・アラメダ(メキシコ)と争い3-0の判定勝利で王座を獲得。連勝を「31」(24KO)に伸ばし、バンタム級に続いてスーパーバンタム級を制したネリだが、試合内容は決してほめられたものではなかった。

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実績ないままいきなり世界戦

   今回の試合を振り返る前に、まずこのタイトル戦が決定した経緯を辿ってみる。ネリ対アラメダ戦が発表されたのは2月9日。米テレビ局「SHOW TIME」が発表したもので、WBC世界スーパーバンタム級王者バルガスの挑戦者決定戦と銘打たれた。発表当時、ネリはWBCスーパーバンタム級のランキングには入っておらず、対するアラメダのランキングは世界12位だった。元世界王者とはいえ、ランキング外の選手と下位ランカーによる挑戦者決定戦には疑問が残った。

   3月28日に米ラスベガスで予定されていたこの一戦は新型コロナウイルスの影響で延期となった。その後、改めて試合日程が発表されたのは8月15日。米興行大手「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)」が、9月26日に米コネチカット州でネリとアラメダがWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に出場することを発表した。ネリは7月のWBCの世界ランキングでスーパーバンタム級1位にランクされ、アラメダは9位にまでランキングを上げていた。

   当初、王者バルガスへの挑戦者決定戦だったはずの一戦が、バルガスの足の負傷により王座が空位となったため王座決定戦に昇格した。新型コロナウイルスの影響でスケジュールが後ろ倒しになり、これに王者のアクシデントが重なり、スーパーバンタム級で何ら実績のないネリがいきなりタイトル挑戦の機会を得ることになった。なんという強運の持ち主なのだろうか。

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