幻の「セメダインB」&戦前の「C」寄贈でわかった新事実 ネットつないだ奇跡、広報に聞く

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   セメダイン公式アカウントは2020年9月28日、幻の「セメダインB」と、「メンダイン」を寄贈してもらったと報告した。9日には戦前の「セメダインC」も寄贈されており、同アカウントはインターネットの奇跡だと喜びに浸っている。

   J-CASTニュースは、セメダイン(東京都品川区)の広報担当者に電話で取材を行った。

  • 現在の「セメダインC」(下)と、寄贈された戦前のもの(上)。並べてみると、黄色のチューブに、黒地と赤いロゴの様式が引き継がれている。
    現在の「セメダインC」(下)と、寄贈された戦前のもの(上)。並べてみると、黄色のチューブに、黒地と赤いロゴの様式が引き継がれている。
  • 現在の「セメダインC」(下)と、寄贈された戦前のもの(上)。並べてみると、黄色のチューブに、黒地と赤いロゴの様式が引き継がれている。

「実在したんだ!」

   事の発端は8月25日、セメダイン公式アカウントが、発掘された土器の復元に「セメダインC」が用いられていることをツイッター上で紹介したことだ。そのツイートを見たアカウントが、民家の収納から古いセメダインCが発掘されたと写真付きで報告した。すると、公式アカウントはこの画像に驚愕する。

「すごい・・・!!おそらくなのですが、弊社にも史料が残っていない発売当初(1938年頃)のものだと思われます。大変貴重な情報をありがとうございます。周りの社員も驚いております!!!」

   そうして、報告したアカウントの厚意によって戦前のセメダインCとその説明書が同社に寄贈された。

   この話は、SNSやネットニュースなどで広く拡散された。すると今度は、幻とされてきた「セメダインB」と、「メンダイン」を所持する人から連絡が来たという。セメダイン公式アカウントは28日、寄贈に感謝しこうツイートした。

「驚きで鳥肌が立っています...。幻の『セメダインB号』が見つかりました...!Bは、社史の一節に『戦前・戦時中、Cと同時期に売られていた』とあるだけの、謎に包まれた接着剤です。先日の『戦前のセメダインC発掘』のニュースをご覧になった方からご連絡いただき、この度里帰りしました。現物だ...!」

   さらに、「メンダイン」も一緒に寄贈されたという。

「メンダインはセメダインの創業(1923年)当時の日本市場を席巻していたイギリスの接着剤です。このメンダインを国産接着剤で攻め出そう→攻め出せメンダイン→セメダインと名がついたと言われています。※今回ご寄贈いただいたのはおそらく昭和10年代頃のメンダインと思われます」

   こちらも社史や新聞広告などには名前が残っていたものの、現物を見るのは初めてだとし、「実在したんだ!」と周りの社員も連呼したと報告した。

デザインや成分、当時から実は...

   セメダインの広報担当者は、今回の寄贈物によって新たに判明したことがあるという。

   セメダインCは1938年、日本で初めて発売された合成接着剤で、現在でも販売されているロングセラー商品だ。今回、戦前のものが寄贈されたことよって、デザインや成分が発売当時からほとんど変わっていないことが判明した。

「チューブの素材など細かいところは変わっていますが、デザインに関しては黄色と黒と赤という三色使い、それからロゴの使い方というのもほとんど違いがなく、およそ80年間このデザインが引き継がれているということが分かります。
それから成分に関しても、歴史の中で国が定めた使ってはいけない成分などは除外していますが、それ以外の成分には大きな変更がないです」

   一方でセメダインBは、社史においても一行しか登場しない謎の商品であった。残っているものは、白黒のラベル写真のみ。そのため、今回の寄贈によってカラーやチューブの形状などが初めて明らかになったという。

   現在これらの寄贈物は、有効に活用できるように社内で話し合われているとのことだった。

   ツイッターやネットニュースを通して、貴重な資料を手に入れたセメダイン。広報担当者は、

「戦前のCに関しても、Bに関しても、一般の方がお持ちのものを弊社にご連絡をくださってご提供くださったというご厚意によるものなので、心から感謝しております」

と感謝する。さらに、社内でも名前しか聞いていなかったBの実物を見ることができて大変喜ばしく思っていると述べ、そしてそのきっかけを作ったのがSNSやネットニュースであり、インターネットがあったからこその出来事に面白さと驚き、感激があったと語った。

姉妹サイト