デザインや成分、当時から実は...
セメダインの広報担当者は、今回の寄贈物によって新たに判明したことがあるという。
セメダインCは1938年、日本で初めて発売された合成接着剤で、現在でも販売されているロングセラー商品だ。今回、戦前のものが寄贈されたことよって、デザインや成分が発売当時からほとんど変わっていないことが判明した。
「チューブの素材など細かいところは変わっていますが、デザインに関しては黄色と黒と赤という三色使い、それからロゴの使い方というのもほとんど違いがなく、およそ80年間このデザインが引き継がれているということが分かります。
それから成分に関しても、歴史の中で国が定めた使ってはいけない成分などは除外していますが、それ以外の成分には大きな変更がないです」
一方でセメダインBは、社史においても一行しか登場しない謎の商品であった。残っているものは、白黒のラベル写真のみ。そのため、今回の寄贈によってカラーやチューブの形状などが初めて明らかになったという。
現在これらの寄贈物は、有効に活用できるように社内で話し合われているとのことだった。
ツイッターやネットニュースを通して、貴重な資料を手に入れたセメダイン。広報担当者は、
「戦前のCに関しても、Bに関しても、一般の方がお持ちのものを弊社にご連絡をくださってご提供くださったというご厚意によるものなので、心から感謝しております」
と感謝する。さらに、社内でも名前しか聞いていなかったBの実物を見ることができて大変喜ばしく思っていると述べ、そしてそのきっかけを作ったのがSNSやネットニュースであり、インターネットがあったからこその出来事に面白さと驚き、感激があったと語った。
驚きで鳥肌が立っています…。幻の「セメダインB号」が見つかりました…!
— セメダイン (@cemedinecoltd) September 28, 2020
Bは、社史の一節に「戦前・戦時中、Cと同時期に売られていた」とあるだけの、謎に包まれた接着剤です。
先日の「戦前のセメダインC発掘」のニュースをご覧になった方からご連絡いただき、この度里帰りしました。現物だ…! pic.twitter.com/dIyS9VVAxW