地上波テレビの「補完」から「代替」へ
民放キー局5社の共同出資によって成り立っているTVerは、まもなく開始5周年を迎えるが、ようやく環境が整ってきた印象がある。これまで地上波放送を補完する役割だったが、代替にもなり得るような機能が、立て続けに登場している。
4月には、一部番組が字幕に対応。9月から始まった「倍速再生」機能では、最大1.75倍速まで早送りできる(広告は通常速度)。細部をじっくり見るのではなく、全容を把握するタイプの視聴者であれば、時短になって便利だろう。すでにハードディスクレコーダーには搭載されていたが、これがネットで完結するのはうれしい。
地上波番組のサイマル放送も、着々と本格化に向かっている。1月には各局夕方の報道番組を同時配信する実証実験を実施、10月から12月には、日本テレビ系列のプライムタイム番組をリアルタイムに届ける試験放送「日テレ系ライブ配信」を行う。民放各局が重い腰を上げたのは、NHKが今春、ネット同時配信(NHKプラス)を始めたことと無関係ではないだろう。
小泉政権時代に「放送と通信の融合」がもてはやされた。当時、竹中平蔵総務相のもとで副大臣を務め、続く第1次安倍政権で後任となったのが、いまの菅義偉首相だ。あれから10余年、時代の流れは早いか、遅いか。
(J-CASTニュース副編集長 城戸譲)
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城戸譲 J-CASTニュース副編集長
1988年、東京生まれ。大学でジャーナリズムを学び、2013年ジェイ・キャスト新卒入社。Jタウンネット編集長などを経て、18年10月より現職。「ニュースをもっと身近に」をモットーに、政治経済からエンタメ、生活情報、炎上ネタまで、真面目とオモシロの両面で日々アンテナを張っている。ラジオとインターネットが大好き。(Twitter:@zurukid)