あの日、妻は「コロナ離婚」を決断した モラハラ夫に耐えることをやめた「ある言葉」

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嫌々応じていたセックス、気づいていなかった夫

「離婚しましょう」

   6月下旬、女性がそう切り出すと、夫は狼狽しながらこう言ったという。

「どうしてだよ。お前たちがいい生活ができるよう、俺はずっと頑張って稼いでるじゃないか。浮気だってしていないし、今でも俺たちセックスしてるじゃないか」

   女性は幻滅した。この人はどうしてこうも自分本位なのだろう。セックスだって本当は嫌だったのに、我慢して応じていただけなのを気づいてなかったのだ――。

   7月に入り、渋る夫を何とか説得し、弁護士同席で離婚について協議する場を持った。「絶対に離婚しない」と頑なだった夫だが、弁護士に諭され、話し合いには応じるようになった。女性は遅くとも来春以降、正社員として働きたいため、コロナ禍で厳しい状況だが、転職活動もしている。女性は言う。

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「コロナがなければ、こんな決断はできなかったと思います。まだかろうじて働いて自分で生活を支えられる歳で(離婚に)踏み切って、良かったと思っています」

   こうした「コロナ離婚」は増えているのか。

   厚生労働省が発表した人口動態統計速報では、緊急事態宣言が出された20年4月の離婚件数は1万6493件で前年同月の2万1061件から21.7%減、5月も1万1483件で前年同月の1万6698件から31.2%も減少している。

   年間400件の離婚相談を請け負う中里妃沙子弁護士によると、緊急事態宣言の発令中は相談は少なかったが、解除された20年6月になってから離婚の相談が増えたという。

中里妃沙子弁護士(丸の内ソレイユ法律事務所提供)
中里妃沙子弁護士(丸の内ソレイユ法律事務所提供)
「目立つのは、いわゆる『モラハラ夫』が原因のパターンです。コロナ前から、家族にまで『マウント』をかけようとする夫にストレスを感じていた女性が、コロナ禍での在宅勤務で耐えられなくなり、離婚を決意する事例が多いです」
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