「一番のメリットはログインすれば手直しが出来ることでは?」
北海道に住む20代男性の調査員もネット回答を勧める1人。取材に対し、「ネット回答は、回答側が郵送しなくて良いのが利点ですね。好きな時間に回答できます。逆に紙の回答で受け取り(回収)を希望された際、直接取りに行かなければなりません。こちらで事前に所定の書類を記載する必要もあり、手間がかかります」と話す。回収の場合はどんなことをするのか。
「回収に行って不在だった場合、最低3回訪問しなければなりません。郡部の場合は1軒1軒の距離が遠いため、ガソリン代が想像より高くなります。外灯がない地域では調査する家の特定にも時間がかかりますね。今後ネット回答のみになれば、調査員の負担はかなり減ると思います」
前回15年調査に続けて今回も調査員をつとめる埼玉県在住の40代女性も、取材に対し「ネット回答なら調査員を挟まずにすぐに回答できるのが利点です。どうしても調査票配布→(回収時に)中身のチェック→聞き取り、と何度か伺うことになるので...」と話す。そのうえで「しかし、一番のメリットはログインすれば手直しが出来ることではないでしょうか? 郵送の場合、修正はほぼ不可能なので...」とも付け加えた。
この「修正」について、前出の総務省担当者はこう解説する。
「ネット回答の場合、入力内容に誤りがあった場合、期限の10月7日までであればいつでも回答の修正ができます。一方、紙の場合は市区町村に連絡して口頭で伝えるという手間がかかります」
回答の誤りはそれほど多くないと言うものの、ありがちなのが新生児について。9月下旬に出産した世帯で、生まれた子の入力を忘れることがあるという。これが漏れると新生児の数が統計上減ることになる。「我々としても、市区町村に出産の届出をした際に、『国勢調査への記入をお忘れなく』と呼びかけています」という。