岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 「警察は敵だ!」黒人女性殺され、怒る群衆たち

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失業より黒人差別への抗議が大事

   デモ隊は車道であるマンハッタン・ブリッジを堂々と占領し、マンハッタンに向かって行進を続ける。マンハッタン側の橋の入口では、デモのために橋を通れず、タクシーや車が渋滞している。

   マンハッタンの大通りも占拠し、大声を上げて行進が続く。歩道にはレストランのテーブルが並び、人々が食事を楽しんでいる。デモ隊が近づくと、拳を振り上げ、拍手する人も多い。

   食事する人たちに男性がメガホンを向け、「寝ていた時に警官に殺されたんだ! 自分で自分を教育しろ! 目を覚ませ!」と訴える。

   警官らが50、60人、通りの反対側の歩道を歩き、デモ隊を見張っている。

   30代の白人女性は、「私の家族には、警官も消防士もいる。でも、私たちの子供たちの未来のためにも、こうして声を上げなきゃいけない」と静かに語った。

   レストランの店長だったという白人男性は、新型コロナウイルスのために店が閉鎖し、失業した。失業手当で暮らしている今、「皆が力を合わせる時だから」と、週6回はデモに参加しているという。

   同じように失業中だという20代の黒人女性は、「今は何よりこれが最優先。いつ自分が殺されるかわからない」と言った。

   ほとんどの参加者は平和的に、プラカードを高く掲げ、皆と一緒に声を張り上げ、ひたすら歩き続ける。私が写真を撮るために高い場所に乗ろうとすると、手を貸してくれる人たちもいた。

   参加者の一部の男女は警官に近寄っていき、「このクソが、新しい仕事を探せよ!」「この豚野郎!」と叫んでいる。

   ある黒人男性が、白人警官に向かって怒鳴る。

「ニガーがお前の家に侵入して、眠っているお前の妻を射殺したら、どう思うんだ! 俺たちニガーは、動物か!」

   彼は黒人女性の警官に向かって、「ここにブレオナがいるじゃないか! お前と同じニガーの黒人女が、警官に殺されたんだぞ! どんな気持ちだ? 警官のバッジを取れ! 恥を知れ!」と激しく言い寄っている。

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