「ドローンでお届け」が日本でも当たり前に? 実験が次々成功、残る課題は...

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アメリカではすでにサービス運用開始 日本での課題は

   かつては航空法の規定で、操縦者か補助者が常に目視で機体を確認できる場所に限定されていたドローンの飛行は、2018年に高度150メートル未満の山や川、海などの人が立ち入る可能性が低い場所に限って目視外でも飛行できるように改められた。この規制緩和により、離島や中山間地などに暮らす「買い物弱者」の利便や、災害時の物資輸送への応用などに道が開けた。

   利用者の利便性を高めるとともに、高騰する一方の物流コスト削減のため、人口が多い都市部でのドローン配送も実用化が期待されている。政府が都市部上空でのドローンの商用利用を始める目標に掲げているのは2022年度だ。

   技術的にはすでに視野に入っている「有人地帯での目視外飛行」を実現するためには、空中で複数のドローン同士がぶつからず安全に計画的に飛行できるようにする「管制システム」の構築や、管制システムがサイバー攻撃で乗っ取られないようにするセキュリティー面の対策など、課題は多い。

Googleの親会社アルファベットの傘下企業はアメリカなどの一部で商用配送を始めている(ウィングのウェブサイトから)
Googleの親会社アルファベットの傘下企業はアメリカなどの一部で商用配送を始めている(ウィングのウェブサイトから)

   一方、アメリカでは、Googleの親会社アルファベット社のドローン宅配サービス「ウィング」が2019年に米連邦航空局からドローンによる商用配送のパイロット・プログラムを実施する承認を得て、19年10月から一部地域で運用を始めている。ドラッグストア大手のウォルグリーンと提携し、医薬品やトイレットペーパーなどの日用品に加え、生鮮食品以外の食料品の宅配も行っている。

   20年に入ってからは、新型コロナの感染拡大を受けて、レストランや図書館からの宅送サービスも開始した。アルファベット社によると、ウィングのサービスが運用されているアメリカ、オーストラリアとフィンランドでの利用者数は20年2月からの2ヶ月間で3.5倍に増えたという。

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