「脱力系」VS「元気系」、そして、「辛麺」VS「王道のチキンラーメン」という対立軸
まず、CMに出演している最中の2人のテンションについて見ていこう。「チャルメラ」のCMに出演する本田さんは、前述の通り、「脱力系」のテンションでダンスを披露。本田さんといえば「LINEモバイル」のCMの際のハイテンションなダンス有名だが、それとは対照的なダンスとなっており、その「ゆるさ」が魅力の源となったCMと言えるだろう。
一方の新垣さんだが、2020年5月に公開された直近のバージョンである「夏の日のぐで垣結衣」こそ、「脱力系」と言えるだろうが、それ以前のバージョンでは常にハキハキとした姿でCMに出演。目の覚めるようなその姿に見る者のテンションが思わず上がってしまうCMであると言えるだろう。
次に、商品の「属性」について見ていこう。「宮崎辛麺」はその名の通り辛さがセールスポイントであり、「刺激」を売りとした商品と言えるのに対し、「チキンラーメン」は袋麺の「王道」とでも言うべきスタンダードな商品。まさに、これでもかとばかりに対照性が見て取れる商品同士なわけである。
これら、2本の対立軸を掛け合わせると、「宮崎辛麺」は「CMのゆるさ」×「刺激の高いラーメン」、一方の「チキンラーメン」は「CMの元気さ」×「王道のラーメン」という組み合わせとなり、「CMの中での演者のテンション」と「商品の刺激性」が対照的になっていることに気付く。
ということは、ここから、「CMを制作する際には、商品の属性を反転させて女優に演じさせる」という法則が見え隠れしてはいまいか。具体的に言えば、「宮崎辛麺」は、その刺激性を緩和するため、CM中の本田さんは「脱力系」の演技。一方の「チキンラーメン」は、そのスタンダードぶりにアクセントをつけるべく、新垣さんに元気いっぱいの演技を要求したのではないか、ということである。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)