ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)が2020年9月26日(日本時間27日)、米コネチカット州で同級11位デューク・ミカ(ガーナ)を相手に防衛戦を行う。カシメロは打倒ミカに絶対の自信を見せており、フィリピンの地元メディアはこの一戦を井上尚弥(大橋)、ルイス・ネリ(メキシコ)戦への踏み台と位置付けている。
ミカも決して侮れない実力者だが...
当初カシメロは4月25日に米ラスベガスで3団体の王座をかけて井上と対戦する予定だった。新型コロナウイルスの影響で統一戦が延期となり、今秋の実現に向けた両陣営の交渉が不調に終わり統一戦は白紙となった。カシメロ、井上ともに次期防衛戦が決定しており、年内の統一戦は厳しい状況にあるが、カシメロは井上との統一戦を諦めておらず、一方でネリとの対戦も視野に入れている。
井上、ネリとのビッグマッチの野望を抱くカシメロにとってクリアすべきは目の前の防衛戦だ。挑戦者のミカは24戦全勝(19KO)を誇るパンチャーで、決して侮れない。アップライトスタイルから繰り出される左右パンチは威力があり、好戦的なボクサーだ。一発の威力ではカシメロが上回るとみられるが、カシメロが仕留めきれなければミカにもチャンスがあるだろう。
フィリピンの地元メディア「MANILA BULLETIN」(WEB版)によると、カシメロをプロモートするMPプロモーションのショーン・ギボンズ氏がカシメロの現状に言及している。「彼の体調は素晴らしく、モチベーションもありタイトルを防衛するための準備は出来ている」と語っている。また、記事の中でカシメロはこの一戦を井上、ネリ戦へ向けての踏み台とするとの見解を示している。
「最善を尽くす準備は出来ている」
今回の防衛戦はカシメロにとって米国に名を売る絶好の機会でもある。試合当日のリングには、ネリがWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に出場し、WBA世界スーパーバンタム級王者ブランドン・フィゲロア(米国)が防衛戦を行う。将来的にスーパーバンタム級に階級を上げる可能性を示唆しているカシメロだけに、ネリ、フィゲロア陣営にアピールしたいところだ。
海外の専門サイト「Noti Fight」は、防衛戦を前にしたカシメロのコメントを紹介。カシメロは「無敵の優れたファイターに直面しているが試合当日は出来る限りのことをする。この戦いを乗り越えてバンタム級の統一戦(井上戦)をしたい。それが私の夢だ。娘と家族のために戦っている。最善を尽くす準備は出来ている」と意気込みを語っている。