河野行革相、「脱ハンコ」へ急ピッチ 迅速な対応求めるも...「文化は好きです」

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   河野太郎行政改革担当相が2020年9月23日に「デジタル改革関係閣僚会議」で行政上の手続きにおける「ハンコ」の廃止を求める考えを示したことが報じられている。

   新型コロナウイルスの感染拡大などにより企業でも脱ハンコが進んでいる中、河野氏の発言は話題となっているが、河野氏は以前から「ハンコ」廃止に向けた動きと、ハンコという文化への好意という2つの面を見せている。

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「ハンコ文化は大事にしたい」

   河野氏が「ハンコをすぐになくしたい」と発言したことは、会合後に平井卓也デジタル改革担当相によって明かされ、平井氏も賛同を示した。また、TBS NEWSの報道によると、行政上の手続きにおけるハンコ使用の見直しとともに、ハンコが必要な手続きのうち「役所が廃止しない方針」のものについてはその理由を今月(20年9月)中に示すことを各府省庁に対し求めているという。

   ネット上の一部ではハンコ文化そのものを見直すべきだとの声も上がっているが、閣僚会議に関する報道の後にも、河野氏は自身のツイッターで

「前にもツイートしたけれど、行政の手続きにハンコはやめようと言ってるのであって、ハンコ文化は好きです」

と投稿。今回のハンコ廃止に向けた考えはあくまで「行政の手続き」が対象だと強調した。また「前にもツイートした」とあるが、当時防衛相だった5月30日にもツイッターで自身の名が押印された書物の写真などを添付して

「決裁や申請書など、業務にハンコは要らないけれど、ハンコ文化は大事にしたいと思います。蔵書印と封蝋。封蝋にちょっと煤が混ざってしまった」

と、ハンコ文化への思いをアピールしていた。

「なぜか政務の決裁は電子でやらないというルールになっておりましたので」

   一方で、今回のような脱ハンコへの動きについては、河野氏は4月28日にも公言していた。閣議後会見の中で、防衛省や自衛隊など各機関の一定の幹部まででのみ行っていた電子決裁について、「できるものは全部電子決裁に」すると発表。その後の質疑応答では新型コロナウイルスに関連して

「書類に判子を押さないといけないものが、コロナに関連する対策の中でも結構あるようです。色々テレワークをやる中で、判子を押すためだけに出社をしなければならないということがある。これは霞が関、民間も両方だと思いますが、そういう中で、これだけテレワークをやろうということですから、そろそろ判子を押すのはやめた方が良いなと」

とコメントしている。そして

「そもそも防衛省は稟議書の判子がやたら多かったものですから、それ自体も少し仕組みを変えなければいけない。むしろ、判子を電子化するというよりか、決裁の仕方を変えるという方が重要だと思っております。なぜか政務の決裁は電子でやらないというルールになっておりましたので、それは馬鹿な話なのでそれはやめます」

と、政務に伴う決裁は電子化しないという「ルール」があったとした上で、「馬鹿な話」と表現していた。

   今回、ハンコの廃止を「できない理由」について「今月」を期限として回答を求めるなど、河野氏のスピード感ある行動に賛同する声が多い一方で、印章業界に対する影響を懸念する声もみられる。このような話題性から、「ハンコ使用廃止」というワードが24日早朝にはツイッターの国内トレンドで上位入りを果たしている。

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