グラフの起点は当初、0%だった
FTV編成部は23日、J-CASTニュースの取材に、SNS上での指摘を受けて事態を把握し、社内での調査を踏まえて今回の対応にいたったという。22日放送の「テレポートプラス」でも、事情を説明した上で修正したグラフを提示した。
編成部によれば、グラフは、福島県白河市が新型コロナの感染者らへの差別や誹謗(ひぼう)中傷をなくそうと制定を目指す「思いやり条例」を報じた際に、背景の説明として用いた。
「こうした研究があり、欧米では本人のせいだと思う人が少ないものの、日本では本人のせいでしょ、と思う人が3倍から4倍多いと。日本で誹謗中傷が問題になるというのは、国民性やお国柄の違いもあるけれど、それは決して許されることではないし、コロナに感染するのは誰のせいでもないし、誰でもかかる可能性があるので誹謗中傷は許されることではありませんよね、というのが放送内での表現でした」(編成部)
グラフの起点は当初、0%になっていたが、制作過程で抜け落ちてしまった。「気がつかなかったのは我々の体制の不備でした」と振り返る。
今回の事例は社内で共有し、再発防止に努めるという。「わたくしたちも初めてのツイッターでの炎上でしたので、今の時代はテレビの外でもこうしたリスクがあると今回の件で十分に認識いたしました。そうした点にも配慮しながら今後放送していきたいと考えています」
一連の対応に、研究グループの三浦氏は「『感染者を責めず、温かいサポートを』という思いは、私たちも同じです。きちんと視聴者に対応されたことに敬意を表するとともに、今後の誤解のない報道を強く希望します」、平石氏は「誰にだってミスはありますが、他方で、ミスを公に認めるのは簡単なことではありません。関係各位の誠実さに感謝と敬意を表します」などとそれぞれツイートしている。