ヤマダ電機、「本業」は好調だが... 「ヒノキヤGも」路線への市場の眼差し

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   家電量販店最大手、ヤマダ電機の株価が足元で低調に推移している。2020年9月7、8、9と3日続落し10日には反発したものの、週明け14日以降もパッとしない。住宅・家具関連への投資、事業拡大を続けるヤマダが新たに住宅メーカーのヒノキヤグループをTOB(株式公開買い付け)によって子会社化すると、8日の取引終了後に発表したことに、期待より懸念が上回っているとみられる。

   本業の家電販売は「10万円給付金」の後押しもあって好調だが、大塚家具を含めた住宅・家具部門が短期的に足を引っ張る可能性もありそうだ。

  • 画像はヤマダ電機の公式サイトより。
    画像はヤマダ電機の公式サイトより。
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敵対的ではないTOB

   ヒノキヤグループは関東を中心した木造戸建ての注文住宅メーカーだ。1988年に「東日本ニューハウス」として設立、「桧家住宅」「桧家ホールディングス」と変遷し現在に至る。2019年12月期連結決算は売上高が前期比6.7%増の1176億円、営業利益は42.4%増の62億円、純利益は3.6%増の23億円と増収増益。「Z空調」と呼ぶ「快適でありながら省エネルギー」な独自の冷暖房システムを搭載した「桧家住宅」「パパまるハウス」「レスコハウス」の3ブランドを展開している。ただ、国内市場は縮小する見込みでさらなる成長のために資本を含む提携戦略を模索し、5月にヒノキヤ側からヤマダに打診した。したがって「大戸屋」に対するような敵対的なTOBではない。

   株の買い付け上限は50.1%で下限は45.7%。期間は9月9日~10月22日。発表直前の9月8日終値を12%上回る2000円を買い付け価格とする。ヤマダは最大126億円を投資する。子会社化後もヒノキヤの上場は維持する。そこまでの資金を投じることに投資家が疑問を持ったことがヤマダ株の低調さを招いた。ヒノキヤ株は当然ながら急上昇し2000円近くに張り付いている。

   ヤマダは家電市場が伸び悩む中、家電を中心に生活インフラを構築する「住宅まるごと」を提案する戦略を一貫して続けている。2011年に高級注文住宅のエス・バイ・エルを子会社化したことが一つの転機になっている。ただ、当初目論んだ太陽光発電とのセット販売は成功したとは言いがたい。

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