銀行が削減したいのは通帳の印紙税だけではない
みずほ銀行に限らず、紙の預金通帳を廃止したい銀行側の目的としてよく印紙税が話題にあがる。紙の通帳を発行している銀行口座1口座当たり毎年200円の印紙税を負担しているというもの。みずほ銀行の場合は個人顧客だけで約2400万口座があり、全て紙の通帳を発行していたとすれば、約48億円の印紙税を毎年支払っている計算になる。
また金利が下がって貸出による収益が上げ辛くなっている銀行にとって、そもそも預金残高を増やしたくない事情もあるだろう。
預金金利の支払い、銀行が倒産したときでも預金を保証する預金保険の保険料も費用となってのしかかる。参考まで預金保険の保険料率は、一般的な普通預金向けのものだと2020年3月26日現在で年0.031%。
みずほ銀行の2020年3月末時点の預金残高は約131.1兆円なので、131.1兆円×0,031%≒406億円の保険料がかかることになる。
預金残高の有無に関わらず、口座数が増えるにしたがってITシステムの費用も増大していくのも重石となりうる。
経営判断として口座数を闇雲に増やしたくない思惑が読み取れる。