建設業界400万人の動員力が「うまみ」か
旧建設省系の50代の国交省幹部は「(国交省の)予算が減っても、政治家にとっての『うまみ』は減っていない」と話す。
「道路や土木の工事だけでなく、ダムや港湾、不動産や航空など、国交省が所管する業界は幅広く、地方の知事や首長からの陳情は引きも切らない状態です。地元の陳情を受ける政治家から(国交省への)口利きもありますが、彼らは『大臣につないだ』と言えば地元にメンツが立つのです。仮に地元の希望通りの結果にならなくても、『公明党の大臣だからね』と言えば、言い訳が立つのです」
公明党にとっても「うまみ」はあるという。先出の政治部デスクが言う。
「建設業界は就業者が全国に400万人います。今でも選挙の時は、業界一丸となって票とカネを動かす動員力があります。実際、過去の衆院選で公明党が苦戦していたある比例ブロックで、業界に『選挙区では自民に、比例区では公明に』と投票を呼びかけたところ、劣勢を挽回して当選に導いたこともありました。公明党の存在感をアピールするのに、国交相というポストはうってつけなのです」