個別の確認は最大336パターン...「物理的に不可能」
2つ目は視認性と個性の両立。いきなりJ リーグ統一デザインでなく、まず視認性が低いユニフォームのクラブへ個別に改善を促す、という対応はできなかったのだろうか。
「今回の統一は、フォント形状の検証・実地検証(日照条件、遠方視認、動き、向き)・コントラスト検証(各クラブのユニフォーム生地色と使用番号色とのコントラスト比チェック)の工程を経て、理想とする視認性が確保される運用となるように推進しています。
頂いた質問にあるような『視認性の低いユニフォーム』を検出して改善するには、(J1・2・3の)全56クラブ×[フィールドプレーヤー+ゴールキーパー]×[1st+2nd+3rd]=最大336パターンの背番号使用方法を対象に前述の各検証項目を行う必要があり、必要に応じて改善を促し、修正し、認可可能に至るまで再検証を行う...という緻密な工程を、各新ユニフォームの開発工程の中に組み入れることは日程面などで物理的に不可能と考えます。視認性の向上(底上げ)、一定基準以上の視認性を保つ、という理想の追求のためには、統一デザインによる管理が必須であると考えました」
3つ目はなぜカラー指定が白・青・赤・黒・黄の5色なのか。クラブカラーとマッチしない可能性や、先述した千葉の緑のように現行カラーが指定に含まれないクラブもある。
「視認性の向上を目的としてカラーを選定しています。カラーユニバーサルデザイン機構様が推奨されている『アクセントカラー・どのように組み合わせても違いが分かりやすい色』と、過去3年間のJ リーグ全クラブ(FP・GK・1st・2nd・3rd全タイプ)での番号使用上位色、その両方の条件に適合するカラーを選出した結果、『5色が適当』であると判断し、全クラブへの説明を経て合意へ至りました。
なおクラブカラーはユニフォーム生地本体にて表現され、背番号色はその対比色が使用されるのが通例であるとも言えます。(上記調査によると、番号使用色の約77%を白と黒が占めています)」
導入は来季から。実際に統一フォントのユニフォームが使われた試合を続ける中で、どのような反響があがってくるか。回答にあるようにJリーグは「今後もファン、サポーターの皆様からの声も伺いながらPDCA を回して参ります」という姿勢だ。今後の動向も注視したい。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)
Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー導入
— Jリーグ (@J_League) September 15, 2020
ユニフォームに表示する「選手番号および選手名」の書体デザインを全クラブで統一し、2021シーズンから「Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー」として導入することを決定いたしました。#Jリーグ
詳しくはこちらhttps://t.co/9XQ7xzDpgK