野党による合流新党「立憲民主党」に合流しなかった議員らで結成した「国民民主党」の設立大会で出た財源に関する発言をめぐり、支持者の間で波紋が広がっている。
財務省出身の岸本周平衆院議員が、赤字国債について「必ず返さなきゃいけません。そして将来の社会保障のためにも、財源が必要です」などと発言したことに、ロックミュージシャンの世良公則氏も「この緊縮財政の発想こそ危険だと感じる」と反応。玉木雄一郎代表は「国民民主党は緊縮政策は取りません」などと火消しに追われた。
財政破綻「今のままではします。当然です。大変な借金をしています」
旧国民民主党が5月27日に発表した追加経済対策では、100年で償還するコロナ債(100年債)を発行して100兆円を調達し、財政支出にあてることをうたっている。この方針は新・国民民主でも引き継ぐとしている。
一方で、岸本氏は設立大会で「日本の財政は破綻するんですか?」という質問に答える形で、コロナ対策の財政支出は必要だとする一方で、その財源となる赤字国債の償還にも言及した。
「財政破綻はするのか。これは、今のままではします。当然です。大変な借金をしています。今、コロナですから、このための予算はどんどん使うべきです。でも、この赤字国債は必ず返さなきゃいけません。そして将来の社会保障のためにも、財源が必要です。そこから逃げちゃいけません」
さらに、デフレから脱却してインフレになるまで赤字を気にせず財政支出を増やせるとする「現代貨幣理論」(MMT)についても、非現実的だとの見方を披露した。
「MMT、お金を刷れば、日銀が刷れば大丈夫(だという考え方がある)。本当だったら、ローマ帝国だって、大英帝国だって、江戸幕府だってやっているはず。やっていないということはできない、ということ。必ず責任を持って(払わなければいけないし)、財源は私たちしか払う人はいない。それは、このコロナが終わった後、責任を持って。私たちは国民のいやなことでも、耳の痛いことでも、言っていかなきゃいけない」