菅義偉新首相の著書が高値で取引されていることが話題になるなか、官房長官時代の名刺がフリマアプリ「メルカリ」で相次いで出品されている。
出品者は「内閣総理大臣の過去の名刺です。今では手に入りにくいと思われます」などとレア感を強調し、1万5000円を超える価格で取引されるケースも多い。だが、メルカリでは「禁止されている出品物」のひとつとして名刺を挙げており、利用規約に抵触する可能性もある。
野党時代の著書はアマゾンで2万9800円
自民党総裁選で、まず値段の高騰が話題になったのが、菅氏が野党時代の12年3月に出版した著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」(文藝春秋企画出版部)だ。印刷部数が少なく、電子書籍化もされていないため希少価値が高い。その上、菅氏の総裁選出馬で過去の発言に注目が集まったこともあって、9月17日時点でアマゾンマーケットプレースでは最低でも2万9800円で売り出されている。メルカリでも3万円以上の値段がついている。
ただ、「政治家の覚悟 官僚を動かせ」の版元の文藝春秋は9月17日、同書籍をベースに、その後のインタビューなどを加えた菅氏の著書「政治家の覚悟」(文春新書、税別800円)を10月19日に出版することを発表。今後、「政治家の覚悟 官僚を動かせ」の価格は下落するとみられる。
表には「内閣官房長官 菅義偉」、裏面には首相官邸の住所と代表番号
名刺は半月ほど前から出品が相次いだ。現時点では40件近くがヒットし、17000円や16000円で取引が成立したものも多数ある。出品されているものの多くが
「内閣官房長官 菅義偉」
「内閣官房長官 衆議院議員 菅義偉」
の肩書きのもので、裏面には首相官邸の住所と代表番号が書いてある。著書と「セット売り」されているものもある。
出品者からは、
「本人から直接もらってる物なので本物です」
「内閣総理大臣の過去の名刺です。今では手に入りにくいと思われます」
「官房長官時代の名刺です。ご本人より頂きました」
といったアピールが相次いでいる。ただし、メルカリがウェブサイトで「禁止されている出品物」として挙げているものの中には「個人情報を含む出品・投稿、個人情報の不正利用」があり、
「メールアドレス、名刺、その他個人情報に該当するもの」
が例示されている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)