「内定取り消しになったらどうしようと不安」「企業に対する信頼感がない」――。新型コロナウイルスの感染が広がる中での就職活動で複数社の内定を承諾した学生らが、J-CASTニュースも参加したオンラインセミナーで、そんな本音を明かした。実際、2020年4月に就職予定だった大学生ら174人が内定を取り消されている。コロナ禍での「オンライン就活」を乗り越えた学生は何を思うのか。
オンラインセミナーは2020年9月17日、リファラル採用を活性化するサービスを運営する会社「MyRefer」(東京都中央区)が開いた。2社以上の内定を得られた「複数内定ホルダー」とも呼ばれる大学生ら4人が匿名で参加し、複数社の内定を承諾した心理や、ウェブ面接などオンライン環境で行った就活の感想を語り合った。
10月の内定式は「掛け持ち」参加 「情報集め切れていない...」
外資系企業やメーカーなど10社から内定を得た私立大学生の女性は、このうち大手2社に対して承諾をしたものの、まだどちらに勤めるか決めかねている。やはり内定取り消しが不安なのだという。
「10月1日の内定式までは確実に内定したという書類がなく、(どちらかに)絞ってもし何かあったら、と不安です。1社はインターンで働いた経験がありますが、もう1社ではまだ社員の本音ベースの話などが聞けておらず、決め手に値する情報を集め切れていないこともあります」
2社の内定式は、参加時間を選べるため、「掛け持ち」の形で両方とも参加するつもりだという。情報収集を進め、「10月末までには決めたい」と話している。
国立大学理系学部の男性大学生も、2社の内定を承諾していたが、9月7日からの週に1社から正式な内定を証明する書類を受け取ったことからようやく絞り込み、もう1社は辞退したばかりだという。就活生向けの情報サイト「リクナビ」で学生のネット閲覧履歴から内定辞退率を算出して外部に販売していた問題に触れ、
「私たちの世代は企業に対する信頼感がありません。いつ(内定を)打ち切られてもおかしくないという認識があります」
と明かす。