プロ野球の巨人は2020年9月15日、東京ドームで阪神と対戦し6-3で勝利した。先発・菅野智之投手(30)が6回7安打3失点で試合を作り、7回から継投に入った。打線は1点ビハインドの6回に阪神先発・高橋遥人投手(24)を捕まえ逆転に成功した。2位阪神との直接対決に勝利し、巨人の優勝マジック「38」が点灯。リーグ連覇へ向けて原巨人がラストスパートに入る。
菅野の「女房役」大城の一打で決定的に
先発・菅野は不安定な立ち上がりだった。初回、先頭・近本光司外野手(25)にライト前に運ばれ、1死2塁の場面で糸原健斗内野手(27)にタイムリーを許した。続くジェリー・サンズ外野手(32)をダブルプレーに打ち取ったが、球にいつものキレがみられなかった。3回と5回に近本にソロ本塁打を許し5回までに3失点。不調ながらもエースとして6回を投げ切りリリーフ陣に後を託した。
この日の打線は取られては取り返す粘りを見せた。初回に先制されると2回に追いつき、3回に再び1点をリードされると4回に同点とした。そして5回に近本のソロでまたも1点リードされたが、6回に好投を続けた高橋を攻め立て3点を奪取。さらに8回には菅野の「女房役」を務める大城卓三捕手(27)がタイムリーを放って1点追加。リードを3点に広げ試合を決定的なものとした。
総合力で阪神を上回り優勝マジック「38」が点灯。この日の試合の中で、今シーズンの巨人の「強さ」を象徴するシーンが見られた。9回1死1、2塁の場面だった。打席にはこの日2本塁打の近本が入った。その近本が放った打球はセンター前に抜けると思われたが、2塁手・吉川尚輝(25)が横っ飛びで捕球し、セカンドベースのカバーに入った増田大輝内野手(27)にトス。リーグ最少失策を誇る鉄壁の守備でチームのピンチを救った。
矢野監督バスターエンドランを仕掛けるも...
一方の阪神は矢野燿大監督(51)の采配が裏目に出た。2点ビハインドの7回、無死1、2塁の場面で矢野監督はバスターエンドランを仕掛けたものの失敗に終わった。打席の梅野隆太郎捕手(29)はスライダーを空振りし、2塁ランナーの小幡竜平内野手(19)が3塁でアウト。なおもチャンスが続いたが、後続が高梨雄平投手(28)に打ち取られ、結局、好機を生かせずこの回無得点に終わった。
エース菅野が踏ん張り、バックがスーパープレーで追加点を許さない。リーグトップのチーム防御率とリーグ最少の失点。今シーズンのセ・リーグはクライマックスシリーズが行われないため、日本シリーズに出場するにはリーグ優勝あるのみ。2位以下のチームをはるか後方に置き去り首位を独走する原巨人。リーグ連覇がはっきりと見えてきた。