待機組の悲哀 「呼び込み」の電話は鳴るか
今回の「菅内閣」では、一部で「入閣が決まった」と報じられている坂本哲志氏(衆院当選6回)や平沢勝栄氏(衆院当選8回)をはじめとする、60人前後とされる入閣待機組は処遇されるのか。
閣僚候補は通常、組閣の日は首相官邸近くの議員会館に待機し、首相からの連絡を待つ。安倍政権では、電話で「閣僚として入ってもらいたい。ポストは後で伝える」と具体的には伝えず、電話を受けた候補者が官邸に足を運んで首相から正式にポストを通知されるのが通例だった。この一連の流れは「呼び込み」と称される。
第2次安倍政権の後半では、組閣前日に電話が入るケースもあったという。こちらは「内定」と呼ばれている。第2次安倍政権で2回閣僚を経験した自民党議員は明かす。
「安倍さんから前の日に『この度、内閣で働いてもらうことになりました。(ポストなど)詳しくは明日お伝えします』と携帯に電話が入りました。『この話は明日まで絶対に口外しないでくださいね』と念押しされましたね。推薦した議員が入閣から漏れた派閥からの『横やり』を警戒していたんじゃないですかね」
この議員は内定の電話を受け、選挙区から上京していた妻に、皇居で行われる認証式で着用が決められているモーニングを準備するよう、お願いしたという。
15日17時時点では一部報道で、橋本聖子・五輪パラリンピック担当相、赤羽一嘉・国土交通相が留任するとされる。これまでのところ、これらの報道が事実となれば、残りは10数ポスト。
菅氏は、14日の自民党総裁選での「論功行賞」的な人選をするのか。それとも自身を推した各派閥からの推薦もある程度は受け付けるのか。そして待機組は15日から16日にかけて、やきもきしながら「内定」や「呼び込み」を待つことになりそうだ。