次期首相、菅氏の「集金力」を徹底分析 連年1億円超集めるも高い「匿名性」、過去には「スキャンダル」も

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寄付者の中にあの「シウマイ」の会社も...

   菅氏の場合、誰から寄付されたかがわかるのは、個人献金計296万円と企業・団体献金計約1194万円分だ。全収入の13%に過ぎない。

   寄付者は主に、菅氏の選挙区の横浜市西区、南区、港南区の企業や企業役員だ。業種別では最も多かったのが建設・建築関係の企業や企業役員で、計約370万円に上る。次いで製造業の企業などからの寄付が計約170万円あった。

   この中には、「シウマイ」で知られる「崎陽軒」(計40万円)や、横浜駅東口にある超高層ビル「スカイビル」の運営会社(計12万円)などが含まれる。

2020年9月8日、東京都千代田区で
2020年9月8日、東京都千代田区で

   菅氏の「集金力」の経年変化も調べてみた。

   自民党の場合、選挙がある年は、通常の政党交付金に加えて選挙に使うための「モチ代」が党本部から配られるため、収入が多くなる。17年は10月22日に衆院選の投票があったが、衆院解散の翌日の9月29日に菅氏の自民党支部にも1500万円の交付金が入金されている。

   そこで、それ以外の年について、収入額の変化を比べてみた。すると、野党だった2011年は計約9546万円だったのが、15年には計約1億328万円、16年は計約1億891万円と「成長」している傾向がうかがえた。収入増の要因の1つが、政治資金パーティーの収入増だ。

   菅氏の政治団体は1回の収入が1000万円を超える「特定パーティー」を野党時代の2011年に2回、12年も自民党の政権再交代前に3回開催していたが、官房長官就任後は特定パーティーの開催はしていない。「大臣規範」で閣僚就任中の大規模なパーティーの自粛をうたっているためとみられる。

   ただ、菅氏は官房長官就任以降、1回のパーティーの収入を900万円台以下に「小口化」したようだ。16年は1回900万円台のパーティーを6回開催。17年は4回、18年は5回開いていた。パーティー自体は小規模化したものの、年に何度も開いてコンスタントに500万~900万円規模を集めることで、結果的に近年は年7000万~8000万円台の収入を得ている。長期政権を支える官房長官としての知名度が、パーティーでの集客力につながったと言えそうだ。

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