次期首相、菅氏の「集金力」を徹底分析 連年1億円超集めるも高い「匿名性」、過去には「スキャンダル」も

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   次の首相となる自民党の菅義偉・新総裁は政治活動を支える「カネ」をどう集めているのか。菅氏が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書を調べてみた。

   菅氏が代表の団体は、資金管理団体の「横浜政経懇話会」(総務省届出)と政党支部の「自民党神奈川県第2選挙区支部」(神奈川県選挙管理委員会届出)の2つ。公開されている最新の2018年分の政治資金収支報告書を見ると、横浜政経懇話会は約3983万円、自民党支部は約7360万円を、それぞれ集めた。

  • 次の首相に就任する菅義偉氏の「集金力」は?(2020年9月2日、東京都千代田区)
    次の首相に就任する菅義偉氏の「集金力」は?(2020年9月2日、東京都千代田区)
  • 次の首相に就任する菅義偉氏の「集金力」は?(2020年9月2日、東京都千代田区)

パーティー収入が全収入の7割も、購入者名は...

   2団体の収入は計約1億1343万円。資金管理団体と政党支部を合算した金額では全国会議員でトップ20位以内に入るほどの、政界でも屈指の集金力を誇る。

   18年の収入の73%を占めたのが、政治資金パーティーによる収入だ。横浜政経懇話会では18年に「新しい国創りセミナー」と題したパーティーを、東京・千代田区のキャピトルホテル東急で6回開催し、3968万円を集めた。自民党支部では「経済人春の集い」と題したパーティーや朝食会などを横浜市の横浜ベイシェラトンホテル&タワーズなどで5回開き、計約4325万円を集めた。諸経費を差し引いても、計約6917万円の利益を上げたことになる。

   ただ、パーティー券の購入者は、どちらの政治団体の政治資金収支報告書にも載っておらず、誰が参加したのか不明だ。匿名性の高さは18年に限らず、現在公開されている16年分と17年分も遡って見たが、やはり記載されていない。

   政治資金規正法では、1個人または1法人で20万円を超えるパーティー券を購入した場合、氏名と住所、金額を記載する必要がある。一般的に、1つの企業・団体から複数名がパーティーに参加する事例は多いが、菅氏の団体が主催したパーティーの参加者は全て購入額が20万円以下ということになる。

   閣僚を2回経験した自民党議員の秘書はこう明かす。

「パーティー券の相場は、自民党なら1枚2万~3万円程度です。支援していただいている企業から何枚もまとめて買っていただきますが、たいていはぎりぎり1社20万円以内に収まるように買ってもらい、20万円を超える場合は関連会社の名義にしたり、個人の名義で買ってもらったりしています。どこの企業も、収支報告書に名前が出るのは嫌がりますからね」
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