菅義偉官房長官が2020年9月14日午前の定例会見で、ネットユーザーから寄せられる質問が「現実問題を反映している」として、お礼の言葉を述べる場面があった。
数時間後には自民党総裁選の開票が控えており、総裁選出後の官房長官会見は副長官が代行する可能性が高い。菅氏が官房長官として会見するのは、これが事実上最後になるとみられ、コメント欄は「ユーザーほめられたで!」と驚く声や、拍手を表す「8888888」の声であふれた。
「7703」こと七尾氏がユーザーからの質問を代読
官房長官会見では、ニコニコ動画の「7703」こと七尾功氏がユーザー(利用者)から寄せられた質問を代読する形で質問している。七尾氏は会見の終盤に指名されることが多く、この日の質問でも最後に指名されて2問質問した。1問目がインフルエンザワクチンの供給に関する質問で、2問目がユーザーからの質問に関するもの。次のような内容だ。
「今日が最後の会見になるかも知れないということで、一般の、普通の国民、ユーザーの多様な質問に、これまでご丁寧にお答えいただいた。ユーザーを代表して御礼を申し上げます。ありがとうございました。たくさんの、かなり(の量を)質問させていただいたと思うが、こうした国民の疑問を長官はどう考えてこられたか。率直なご感想をお聞かせください」
「ユーザーほめられたで!」
菅氏はまず、
「この記者会見というのはご承知のとおり、まったく限られた中で、十数名の記者の皆さんから、様々な質問にお答えするわけですから、なかなか納得のいくような説明はできないのかなぁ、というようなことを常に気になりながら会見をしてきた」
などと記者会見一般の感想について答え、ユーザーの質問に対する感想を促されると、
「あのー。そこは、現実問題を反映している、そういう質問だったという風に思います。ありがとうございました」
などと話した。ニコニコ動画のコメント欄には、
「毎回下みて原稿読んでただけだよね」
といった冷ややかな声がある一方で、
「ユーザーほめられたで!」
「お礼を言われてしまった どうしよう」
などと驚く声も相次いだ。画面が拍手を表す「8888888」のコメントで埋まる中、菅氏は会見室を後にした。
菅氏は12年12月の第2次安倍内閣発足とともに官房長官に就任し、16年7月に在職日数が歴代最長を更新していた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)