ヤフトピとNERVと 台風10号から考える災害時の「情報のリズム」【ネットメディア時評】

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   九州などへ接近し、各地に被害をもたらした台風10号。一連の報道は、インターネット上で、どのようにされていたのか。今回は「ポータルサイト」を入口として、災害時における「情報のリズム」を見ていこう。

  • 災害時に必要とされる情報は?
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ヤフトピに見る「台風報道」推移

   ポータルサイトに掲載されるニュースは配信記事がほとんどだが、「影響力」では媒体社にまさるケースが多々見られる。なかでも、Yahoo!ニュースのトピックス(通称ヤフトピ)は圧倒的だ。トップページの「主要」(ニュースタブ)に並ぶ8本は、日本で一番読まれる記事と言ってもいいだろう。そんな「主要」に選ばれた、国内の台風関連記事を振り返ってみる。

   気象庁が接近4日前の「異例の会見」を行った2020年9月2日は84本中15本(17.9%、以下筆者が目視計測)が台風関連だったが、その半数以上は「台風9号」について。3日になると、台風関連は13.2%(76本中10本)に減った一方で、「台風 進行方向の右側ほど危険」「台風 接近前にやるべき対策」「台風 風が強くなる前に避難を」など、被害を食い止めるためのハウツーが並ぶようになった。4日(16.9%、83本中14本)も、同様の傾向が見られる。

   本格的に台風情報へシフトしたのは、気象庁が「重大な災害が起きる確度が高くなった」と会見した5日(38.8%、67本中26本)だろう。タイトルに「台風」および「10号」を含めないパターンが16本と過半数を占めた。なかには「備えて 九州は午後に風強まる」と、呼びかけから始まるものもあった。

   九州に接近し始めた6日(64.6%、82本中53本)には、「鹿児島」(6本)「九州」(11本)など地名を入れるほか、「340万人(500万人)に避難指示と勧告」「台風 九州で14万戸(18万戸)超が停電」のように、具体的な数字をあげることで、その威力の大きさを伝えるトピックスが増えた。週明け7日(34.8%、89本中31本)も同様の傾向がみられ、8日に9.9%(81本中8本)へ落ち着いた。

   進路予測から避難時のノウハウ、被害・支援状況まで、災害時に求められる情報には「リズム」がある。各社のバランスを見ながら、タイミングに応じた適材適所でのピックアップが必要となってくる。

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