どうなる「独立路線」
ただし、資本提携しても、スズキと独VW(フォルクスワーゲン)のように1年もしないうちに対立関係に陥り、国際仲裁による解決まで年月を費やした例はあるし、独ダイムラーと米クライスラーのように統合後に離婚した例もある。日産と仏ルノーの関係もギクシャクしている。トヨタも、いすゞとのディーゼルエンジンの共同開発を目指した資本提携は実らなかった。
車の自動化や電動化などの頭文字をとったCASEをキーワードとする大変革の時代に、世界のトップクラスのメーカーでも新たな技術のすべてを自前で開発するのは難しい。勢い、合従連衡は不可避だ。ホンダは、長年のGMとの関係の中で「技術に関する信頼感を培ってきた」(大手紙経済部記者)といい、資本を伴わない関係を「しなやかな提携」と評価する声もある。
今回の提携の成果がいつごろから見えるのか、その延長上で工場の相互活用といった生産体制での協力にも進むのか、そうした段階では資本提携も必要になるのか。「独立路線」を守ってきたホンダの将来の姿という意味でも、注目される。