中国出身女性が「中国と闘えるのはトランプ」
天安門事件を知る彼女には、母国中国への特別な思いもあった。
「中国みたいな国と闘えるのは、トランプしかいない。私はもう、中国が大っ嫌いなんだよ」
彼女は相当、うっぷんがたまっているようだ。中国語なまりの激しい英語で、吐き捨てるように言う。
「アメリカを毛嫌いしている連中は、この国がどうなったって構わないんだ。この国が気に食わないなら、なんでここに来るのさ!」
「その通りだ(That's right!)」とエリオットが同意する。
と、今度は正統派ユダヤ教徒が口をはさむ。
「あいつらがやりたいことは、面倒なことばっかりだ。今度は郵便投票したいと言い出した」
「あれは不正が起きる。詐欺だ」とエリオット。
「それだけじゃない。膨大な数の郵便物を、どうやって処理するんだ。不可能だ。そんな人員がどこにいる?」
「確定するのに、相当時間がかかる」とエリオット。
中国系女性は、被っていたトランプ支持の赤い帽子を脱いで、私たちの目の前に突き出し、怒鳴るように激しくまくし立てた。
「民主党政権なんかになったら、オーマイガー、あんたや私みたいな共和党支持者は、何も意見できなくなるよ。ついこの前だって、マンハッタンでこれを被ってたら、ののしられて、殺されそうになったんだよ!」
「わかるよ、わかる」とエリオット。
「わかってくれて嬉しいよ! トランプ好きだって、トランプ嫌いだって、別にいいだろ。支持してるだけで暴力的な目に遭うなんて、悪(evil)だよ」
「本当にこんな状況になるなんて、思いもしなかったな」とエリオット。