早期の衆院解散・総選挙をめぐる発言が相次ぐ中、野党による合流新党への参加を決めている岡田克也元外相は「(新首相は)そんなに簡単にはカードは切らない」などと否定的な見立てを披露した。2020年9月11日、国会内で記者団に語った。
今行われている自民党総裁選(9月8日告示、14日投開票)で選出された総裁の任期は、退陣を表明している安倍晋三氏の残り任期にあたる21年9月末まで。その後の総裁を選ぶ総裁選は、今回は省略された党員・党友投票を含めた「フルスペック」で行われる。この総裁選に備えて解散カードを温存する、との見方だ。
解散は来年?都議選との「ダブル」も
解散・総選挙の時期をめぐっては、河野太郎防衛相が9月9日夜の米オンラインイベントで、「恐らく10月のどこか」と発言。自民党の鈴木俊一総務会長も、新首相就任直後の解散の可能性に言及するなど、早期解散論が相次いでいる。
ただ、岡田氏はこの見方には否定的だ。自民党内で早期解散論が多いことを指摘する一方で、「菅さん(総裁選に出馬している菅義偉官房長官)の総理としての判断は別」とも話した。
「1年後の総裁選に、勝利するためにベストの時期を選ぶ。そんなに簡単にはカードは切らない。切ってしまったら、2回はさすがに解散できないだろうと思いますので...」
具体的な時期については、
「やっぱり、もう少し来年の9月に近い時期、ただし都議選(6~7月)もあるし、五輪(7~8月)はどうなるか分からない。そういう中で大きなバンド(幅)で選べるわけではないが、予算明けとかね(編注:2020年度の本予算案は3月27日に成立)。予算明けなら都議選まで、まだちょっと時間あるので可能だと思うし、あるいは都議選とのダブルにするとか...。その辺が可能性が高いのかな、と僕は思ってますけど」
などとして、予算成立~都議選の間を有力視している。
「10月25日投票日ということだと、1~2日を争う話」
ただ、岡田氏は、9月10日に合流新党の代表に立憲民主党の枝野幸男氏が選ばれ、名称が「立憲民主党」に決まったことに関連して、
「様々な課題がある中で、とにかく急いだ方がいいと、私には思える。結党がまだされておらず、内定状態ということではあるが、この1週間は結構大きい。もし、一部で言われているような10月25日投票日ということだと、1~2日を争う話なので、早く動いて選挙区調整とか、そういうものをスタートさせた方がいいのではないか。党の体制も、早く固めた方がいい」
とも述べている。無所属として活動してきた岡田氏は9月10日のうちに、「立憲民主党」の党名が入ったポスターを発注したという。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)