北里大学大村智記念研究所の研究グループは、アルコール系消毒剤やハンドソープなど市販製品の新型コロナウイルス不活化検証試験をおこない、結果を公表した。
試験では、厚生労働省が新型コロナウイルス対策として拭き掃除に推奨する塩素濃度をクリアした次亜塩素酸水系の製品も対象となったが、総じて結果は振るわなかったとしている。
アルコール系消毒剤、ハンドソープなどで「完全消毒」
試験は北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I研究室の戸高玲子研究員、芳賀慧特任助教、澤田成史助教、片山和彦教授のグループによって実施。2020年9月1日に北里大学の公式サイトで研究結果を要約したプレスリリースが公表され、9日発売の雑誌「感染制御と予防衛生 2020年9月号」(メディカルレビュー社)では詳細な試験手法・結果が掲載されている。
リリースによると、試験では市販のアルコール系消毒剤、ハンドソープ、台所洗剤、次亜塩素酸水などの製品による新型コロナウイルスの消毒効果を検証。その結果、市販のアルコール系消毒剤はアルコール濃度 50%以上の製品、ハンドソープ系、台所洗剤類、お掃除・ふき取り系の製品では各製品の使用方法に従って使用すれば、試験に用いた3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能だったとした。
具体的に見ると、アルコール系消毒剤は「ビオレu手指の消毒液」(花王)など11製品、ハンドソープ類では「ミューズ泡ハンドソープ」(Reckitt Benckiser)など5製品が消毒効果の総合判定で「完全消毒」という結果になった。また、台所洗剤でも「防菌JOYコンパクト」(P&G)、「ママレモン」(ライオン)、「マイフレッシュ」(ロケット石鹸)など18製品、お掃除・拭き取り系では8製品が「完全消毒」となった。