安倍氏への「ねぎらい」表れた? 野党は「ほとんど認識されず」...
安倍内閣の支持率は20年に入ってから、新型コロナウイルス対策などへの批判が高まり、不支持率が支持率を上回っていたが、安倍氏の辞任表明後にそれが逆転。所属政党の支持率と合わせて、政権末期には支持率が下がる傾向が多いが、4社の調査では異例と言える結果となった。なぜなのか。世論調査に詳しい埼玉大の松本正生教授(政治意識論)は、
「安倍政権は、迅速に結果がわかるRDD方式の世論調査が報道各社に普及してからの長期政権だったこともあり、首相の辞任表明後に内閣支持率を調べた今回の調査は異例で、過去の事例と比較しようがない。おそらく『病を押して長く政権を運営し、ご苦労さま』という、ある種の『ねぎらい』が表れたのでしょう」
と前置きした上で、政党支持率の変化に注目する。
「党員・党友投票を『省略』し、ほぼ派閥の『談合』で次の首相を決める旧態依然としたやり方の自民党なのに、支持率は大きく上昇している。これは安倍さんへの『ねぎらい』、そして安倍路線を引き継ぐとみられる菅義偉官房長官への期待とともに、自民党へも一時的に注目が集まっているのでしょう」
「逆に野党は、(立憲民主党や国民民主党などが合流してつくる)新党の代表選をやっているにも関わらず支持率を下げている。有権者に、存在がほとんど認識されていない状況です」
9月14日の自民党総裁選後、同じ週には新内閣が発足する見込みだが、新政権・自民党がそのまま当初の高い支持率を保てるとは限らないという。
「今は一時的に新しい首相、政権に注目が集まっていますが、国民の関心は再び新型コロナや不景気に対する政権の対応に戻るでしょう。世論調査では、新型コロナに対する政策の成果で支持率などが判断されると思われます」