政権交代を実現→政権の選択肢に... 新「立憲民主党」合流したのに「トーンダウン」?

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   立憲民主党や国民民主党などが合流してできる新党の代表と名称を決める選挙が2020年9月10日に投開票され、代表に現・立憲民主党代表の枝野幸男氏、名称に「立憲民主党」が選ばれた。

   新党には衆参合わせて149人が参加。このうち衆院議員は106人で、09年8月の総選挙で民主党が政権交代する直前に民主党が持っていた115議席に迫る規模だ。ただ、枝野氏は19年の立憲の党大会では「次期衆院選で政権交代」を掲げていたのに対して、今回のあいさつでは「次の総選挙で政権の選択肢になる」。支持率が低迷する中で、現実路線に合わせる形でトーンダウンした可能性もあるが、政権交代に向けた本気度が問われる可能性もありそうだ。

  • 合流新党の代表に選出され、あいさつする枝野幸男氏
    合流新党の代表に選出され、あいさつする枝野幸男氏
  • 合流新党の代表に選出され、参加者に頭を下げる枝野幸男氏。衆参149人のうち107人が枝野氏に投票した
    合流新党の代表に選出され、参加者に頭を下げる枝野幸男氏。衆参149人のうち107人が枝野氏に投票した
  • 合流新党の代表に選出され、あいさつする枝野幸男氏
  • 合流新党の代表に選出され、参加者に頭を下げる枝野幸男氏。衆参149人のうち107人が枝野氏に投票した

解散なら「正面から受け止めて国民の皆さんの選択肢になろうではありませんか!」

   選挙では新党に参加する衆参149人の国会議員が投票し、枝野氏が107票、国民民主・政調会長の泉健太泉健太氏が42票を得た。党名は、枝野氏が「立憲民主党」、泉氏は「民主党」をそれぞれ提案。「立憲民主党」に94票、「民主党」に54票が入り、「その他」も1票あった。

   枝野氏は新党代表選出後のあいさつで、臨時国会は新首相の指名だけではなく、コロナ対策を含めて本格的な議論を行うための臨時国会を召集すべきだと主張。その上で、解散総選挙への対応についても言及した。

「自分勝手な都合だけで、もしこうした本格論戦から逃げて解散をするならば、正面から受け止めて国民の皆さんの選択肢になろうではありませんか!いずれにしろ、この1年の間に総選挙が行われる。この解散総選挙を勝ち抜くために、皆さんの総力を結集できるよう、準備を迅速かつ着実に進めていく決意だ」

記者の「2段階ぐらいで政権を取ろうと持っているのか」の問いには...

   代表選後に開かれた記者会見では、記者からは

「(党の規模が)大きくなったのは、政権交代ということ(目的)に尽きると思う」

として、

「次(の総選挙)で(議席数)130とか150になって2段階ぐらいで政権を取ろうと持っているのか。大きな志として、その感じのところをうかがいたい」

などと政権交代を目指す時期に関する質問が出た。

   枝野氏は、最大野党の役割には(1)次の総選挙で政権の選択肢になること(2)行政監視、の2つの役割があるとして、

「したがって、次の総選挙で政権の選択肢となり、国民の皆さんに政権として選んでいただくべく、最大限の努力をするというのは、どなたが代表であっても、どんなに小さな勢力であっても、最大野党の責任だと思っているので、まったく従来と、そこについては変わりない。同時に政治は『生き物』で『時間の関数』なので、それぞれの政治状況でできるベストを尽くしていく」

などと述べ、具体的な政権交代を目指す時期には言及しなかった。これは、過去の発言から「トーンダウン」しているとも取れる。枝野氏は19年9月の立憲の党大会で

「まっとうな政治によってまっとうな社会を取り戻すという、もうひとつの選択肢を高く掲げ、次の総選挙での政権交代を実現すべく、全ての活動を進めてまいりたい」

とあいさつしているほか、20年2月に支持者を交えた形で開いた党大会「立憲フェス」でも、「すべての取り組みを政権交代のための準備へとつなげる」ことを、活動方針の柱として掲げていた。

   枝野氏は20年5月末の記者会見で、ポストコロナ時代を見据えた「政権構想」を披露している。理念レベルでの試案に近いもので、今後の議論については

「『何党が』ということではなく、幅広く、今の自公政権に代わる新しい理念に基づいた政権を作りたいと期待している国民・有権者の皆さんと、幅広く意見交換していきたい」

などと話していた。

   新党の結成大会が開かれるのは9月15日。その場で次期衆院選と政権交代をどのように位置づけるのかが焦点になりそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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