「保育園、職場復帰、学費...出産後の支援も」
現在、約10年勤めた食品メーカーを休職しながら子育て中の女性(33)は「出産費用だけ無料では焼け石に水です」と批判的だ。
「預けられる保育園が見つからず、予定より長く休職せざるを得ませんでした。2年間の育休後、職場にちゃんと復帰できるかも不安です。フリーランスとして働く夫は年収が100万~200万円ほどなので、育児手当と合わせても、かなり切り詰めないと生活していけません。幼稚園、小学校となれば、学費をどうひねり出すか...。ためらうことなく安心して産めるよう、出産後の支援もあわせて考えていただきたいです」
文部科学省がまとめた2018年度の「学習費調査」によると、子ども1人あたりの教育費、給食費、学校外活動費の総額は、公立の幼稚園なら22万3647円▽私立幼稚園52万7916円▽公立小学校32万1281円▽私立小学校159万8691円となっている。加えて、医療費や食費なども当然、かかってくる。
菅氏が打ち出した「不妊治療の保険適用」と合わせ、自民党総裁選は、出産や子育てに対する日本の不十分な支援制度について改めて人々の関心を高める効果はあったのかもしれない。