「#山万20時間耐久」で話題の「ユーカリが丘」 持続可能な「街づくり」続け半世紀、そのユニークな取り組み

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デベロッパーが作った鉄道

   デベロッパーのはずの山万が街づくりの一環として、ゼロから鉄道を作ってしまったのが、ユーカリが丘線である。あるツイッターユーザーが始発から終電まで乗り続ける「山万20時間耐久」に挑んだあの路線だ。1982年に東京都心へのアクセスを担う京成電鉄ユーカリが丘駅が開業し、同年にこの駅に接続して新交通システムの同線を開業させた。日本の大都市圏では大手鉄道会社が収入増のために沿線開発を行ってきたが、ユーカリが丘線はその逆になるだろうか。

   デベロッパーによる鉄道、単線でテニスラケット型の路線網、「中学校」「女子大」「公園」などのユニークな駅名から全線わずか14分のミニ鉄道ながら、鉄道マニアにとっての知名度はそれなりに高い。1982年の開業以来ずっと同じ車両を使い続けて非冷房だが、夏にはおしぼりやうちわの配布で涼を取る工夫をしている。

   この鉄道のおかげでニュータウンのどこからでもおおむね徒歩10分で駅に着けるようになったが、住民の高齢化に対応してカーシェアリングやバスまでも山万が導入している。16年から試験運行を始めていたコミュニティバスを発展させて、20年10月から路線バスの運行も始める計画である。

   またユーカリが丘線に採用されている運行システムは、同じ新交通でも「ゆりかもめ」などとは違う「VONA」というもので、国内では現存唯一の路線である。もう1つVONAを採用したピーチライナー(愛知県小牧市)も桃花台ニュータウンへのアクセス路線だったが、桃花台ニュータウンへの入居人口の見誤りやJR中央線・路線バスとの競合で2006年に廃止になった。桃花台ニュータウン自体も地盤沈下に悩んだ過去があり、ニュータウンと鉄道の明暗が分かれた。

   「珍しい鉄道が走る街」としてだけでない価値を、ユーカリが丘は持っている。

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