「ほとんどの客がマスク着用に協力、トラブルもなかった」
前出の動画は、仲裁に来た乗務員らが男性客にマスクを着用するか席を移動するか求めたときのやり取りのようだ。
このときは、男性客のいた3席と同じ列の3席にいた他の客らが席を移動し、ピーチ機は43分遅れで出発した。濃霧の影響で釧路への到着が遅れたのとマスクトラブルのためだ。
ところが、男性客は、その後「侮辱罪だ」などと大声を出して他の客と言い合い、仲裁の乗務員にも口答えした。マスク着用については、「非科学的だ」「書面を出せ」などと騒いだという。乗務員が男性客に警告書を渡しても、「やれるものなら、やってみろ」などと威嚇し、機長が機内の秩序を乱す航空法第73条の安全阻害行為と判断し、急きょ新潟空港に臨時着陸した。
空港では、男性客は乗務員の指示に従って機内から降り、ピーチの係員が男性客を引き継ぎ、新潟県警の警察官も立ち会った。
このトラブルで、関西空港に着いたときは、2時間15分遅れとなっていた。機内には、男性客以外には124人が乗っていた。
ツイッター上などでは、男性客について、「意見としては分からんでもない」との声も一部であったが、「ルールに従えないのなら乗るべきではない」「面倒くさそうな人。他の人の迷惑よりも、相手を論破することを優先してる」などと厳しい声が聞かれた。
男性客に対しては、損害賠償を求めたり今後の搭乗を拒否したりするのだろうか。この点について、ピーチの広報担当者は9月9日、「今決まっていることはないです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
マスクについては、着用をお願いしているものの、強制はしていないという。今回の措置は、マスクが原因ではなく、あくまでも乗務員がトラブルに付きっきりで業務に支障が出て、安全に運行できないと判断したためだとしている。
「マスクは、ほとんどのお客さまに着用の協力をしていただいており、これまでにトラブルはありませんでした。機内では、着用が基本ではありますが、小さなお子さまや熱中症や病気などが理由のお客さまは、着用していただかなくても大丈夫です」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)