自民党の総裁選が2020年9月8日に告示され、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長が立候補を届け出た。
7年8か月にわたって続いた安倍政権への評価や、新型コロナウイルス対策などが争点。この日行われた記者会見では、ネット活用のあり方や、とりわけSNSにどう向き合うかに関する質問も出た。「発信のツールとして重視」「リーズナブルなルール作り」「(先に発言した)お二人の意見と全く一緒」と、その反応は三者三様だった。
「本当に思わぬところで、とんでもない反響が起こってですね...」
候補者3人はこの日、所見発表演説会に続いて、記者会見に臨んだ。ネット活用に関する質問が出たのは終盤。党運営や政権運営にあたって、どのようにネットを活用したり、ネット利用者の理解を得たりするかを問う内容だ。岸田氏、石破氏、菅氏の順に回答した。
岸田氏は、ネットを通じた意見交換が活況を呈する一方で、若者がマスコミ経由で情報を得る機会が減少していることを指摘。
「ますますネットを通じての情報のやり取りの重みが高まってくるのではないかと思う」とした。さらに、苦笑いを交えながら
「私も、様々なネットを通じての発信を行うが、本当に思わぬところで、とんでもない反響が起こってですね...。『なるほどな』と、改めて世の中について考えさせられる、こういった場面も多々ある」
とも。ツイッターに「#束の間のひととき」「#妻の手料理」のハッシュタグつきで夕食時の写真を投稿したことが「時代錯誤」などと批判を浴びたことを念頭に置いているとみられるが、SNSは「発信のツールとして重視していかなければならない」と改めて強調した。
石破氏はルール作りの必要性指摘、菅氏「お二人の意見と全く一緒」
石破氏は、若者の政治参加で「世の中が変わる、変えなければいけない。自分たちの時代のために。そのためにSNSは非常に有効だと思っている」。SNSの意義を強調する一方で、資金を投じれば投稿を宣伝できることも指摘。「財力のある人が多くの情報を発信できるとすれば、それが一種の不公平を生むことになりはしないか」などと懸念も示した。さらに、偏った情報や誹謗中傷が書き込まれる問題をめぐり「リーズナブルな色々なルールを作る」ことが「とても大事なこと」だとした。
最後に発言した菅氏は、
「私も、お二人の意見と全く一緒であり、これからはSNS、そうしたものを駆使しながら、政党・個人の政治活動というものは、どんどんどんどん広げていって、多くの皆様に様々な情報を提供させて(いただき)、判断をいただくという、そうしたことはきわめて大事だと思っている」
と述べた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)