厚生労働省は2020年9月8日、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の修正版(iOS版「1.1.3」)の配布を開始した。iOSのアップデートは7月13日以来。また近日中にAndroid向け修正版の配布も予定していると、公式サイト上で発表した。
「改めて接触の検知の仕組みについて見直し」
スマートフォン端末のアプリの自動アップデート機能がOnになっている場合には、ダウンロードが可能な通信環境から自動的に更新されるとし、アップデートを呼び掛けている。
厚生労働省は公式サイト上で、今回のアップデートについてこう語る。
「ご利用者の皆様から様々な情報をお寄せいただく中で、端末の利用環境等により、想定しているよりも広範な接触が検知されているのではないか、あるいは本来検知すべき接触が検知されていないのではないか、という疑いのある事例もあり、改めて接触の検知の仕組みについて見直しを行って参りました。今回の修正版(1.1.3)による修正は、接触の検出精度の適正化を図るため、内部処理の改良を行ったものです」
さらに、
「国民の皆様に広く、安心して本アプリをご利用いただけるよう、利用者からのご意見等を踏まえ、引き続き、本アプリの機能・デザインの改善を行ってまいります」
と今後も改善への意欲を示している。
運用めぐり続く苦闘
一方でCOCOAをめぐっては、不具合との悪戦苦闘も続いている。
今回は言及されなかったが、陽性者との接触があったようなプッシュ通知が表示されるものの、アプリを開いて陽性者との接触を確認すると「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されてしまうという不具合も確認されている。iOS端末でこの不具合が発生した場合には、厚生労働省公式サイト上の「接触確認アプリ利用者向けQ&A」問27記載のメールに連絡をするように呼び掛けている。インターネット上ではこの不具合を報告する声が多数あがっており、連絡を入れたとするものもある。しかし自動返信は即時届くが、厚生労働省から回答が来るまでには数日かかったという声もあった。
このほかJ-CASTニュース既報のように、陽性が確認された人がCOCOAで陽性と登録する際に入力する「処理番号」がすみやかに届かなかったという事例もある。「COCOA」の運用には、まだまだ課題が残されている。
(「接触確認アプリ、入れてるのに『陽性登録』できない... COCOA『処理番号』届かぬ事例複数、いったいなぜ?」、2020年08月10日配信)