東京・日本橋で開催している金魚の展覧会「アートアクアリウム美術館」をめぐり、来場者や金魚の愛好家から、生体管理への疑問の声が相次いでいる。
運営会社によれば、オープン時は衰弱していたり病気になっていたりする金魚も展示していたが、「今はまるで違う状況になっております」と強調する。
「力なく漂う姿に気分が悪くなった」
アートアクアリウム美術館は2020年8月28日から開催している。
展示の中心は「金魚」だ。大小さまざまな水槽に3万匹以上の金魚が入れられ、色とりどりにライトアップされている。「私たちはエンターテインメントの本質を理解し、これからの未来を見据えて、『訪れないと味わえない』『リアルの追求』を徹底しました。生命の美を感じる、神秘的なアートの世界を創り出し、お客様に一生記憶に残る想い出をご提供致します」(プレスリリースより)
展覧会は過去にも開催していたが、今年から専用施設での常設展となった。「過去最大級の大型展示」をうたう。文化庁の助成事業にも選ばれ、約1600万円が支援されている。
雲行きが怪しくなったのは、来場者から金魚の状態を心配する声がSNS上で複数投稿されたためだ。体表が白い斑点でおおわれ病気の疑いがあったり、水面に浮かんだまま動かなかったりする生体の写真・動画も拡散し、管理体制を問題視する声が続出している。
9月2日に鑑賞し、自身も6年ほど金魚を飼育している人物はJ-CASTニュースの取材に、「病気・弱っている金魚が多くてショックを受けた。遠目には派手な水槽だが、 近づいてよく見ると金魚が力なく漂う姿に気分が悪くなった」と感想を述べ、
「とにかく飼育環境を改善してほしい。実際のメンテナンスやろ過設備がわからないためなんとも言えないが、ろ過の増強、水換えの強化、水づくりをしっかりしてほしい。ほかにも、無理な過密飼育の解消や、病気の金魚は使い捨てにせずに隔離・薬浴して治療してほしい」
と要望した。7日にも鑑賞したというが、抜本的な改善は見られなかったという。